スチルライフ
今、番組審査のため、ポータブルDVDプレイヤーを持ち歩いて30本の番組を試写している。
このプレイヤーは便利だ。車中でも出先でもどこでも好きなところで、番組や映画を見ることができる。
欠点は画面が小さいことで、長時間見ていると、眼が疲れてくる。とくに字幕は見づらい。
このDVDの中身は動画だ。いわゆるモーションピクチャーだ。普通写真といわれるものはスチルピクチャー、スチルと呼ばれる。DVD画面だと、モーションピクチャーであっても動きのない画はスチル化するのだ。例えば、風のない日に富士山を入れ込んだ風景を動画で撮影する。風一つないから全てが止まったように見える。それでも大きな画面で見ると、どこかが息をしているのが感じられるのだが、小さなDVD画面だとそれはスチル状態になる。画が死んで見えるのだ。
それは人間の肌も然りだ。昔、東野英二郎が演じた水戸黄門がDVD化されていて、それを見ると動きのない画になると画面がスチル化するのだ。すると、人間が生きていなくなる。つまり死んでいる。肌は実は意識できないほどかすかにいつも動いているのだが、小さなデジタル画面ではそれが表現できないのだ。
ポータブルDVDプレイヤーがどれほど便利でも、これで名画を見て蝶々することは許されないだろう。
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