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20年前のゲド戦記

アーシュラ・ル・グイン著「ゲド戦記」
20年前のゲド戦記_c0048132_9574734.jpg
ミンミン蝉が鳴く

朝から、蝉がやかましい。せっかくの土曜日、朝寝しようと思ってもさせてくれない。仕方なく、起きてきて読書。久しぶりに大江さんの本を手にとる。「治療搭」だ。1990年の作品で懐かしい。

 昨夜、筒井康隆が深夜テレビに出ていた。彼の「日本以外全部沈没」という作品の生まれた経緯を話していた。小松左京の「日本沈没」が大評判をとったとき、「沈没成金」と冷やかしてベストセラーを祝うためSF作家たちが集まったことがある。その折、星新一が日本以外全部沈没ってどうだろうと半畳を入れた。それを聞いて、筒井は「そのアイディア、俺がもらった」と声をかけたそうだ。容色は衰えたが、粋なひげを立てて筒井は楽しそうに懐古していた。これの物語は、日本以外がすべて沈没してしまった後の世界の話だ。世界中の難民が日本に押しかけてきて混乱するという、「日本沈没」とはまったくテーストの違うブラックユーモアである。

 筒井が他の作家からアイディアをいただくのは珍しいことではないようだ。むろん、筒井は単なるアイディアを彼独特の世界にもちこむのだから、何ら盗作でもない。

 『文学部唯野教授』もその一つと、私は聞いた。この話は、早治大学の名物教授にして実は隠れた新進作家唯野仁が、壮大な文学理論を講義する形をとりながら、一方大学政治のドタバタをグロテスクに描いたもの。バルトやイーグルトンの名が飛び交う文学講義は、印象批評からポスト構造主義まで広範にわたり、筒井の学識は半端ではないと、大向こうをうならせた小説だ。

この文学論講義のアイディアは大江健三郎との会話から生まれた。1990年当時、大江さんは筒井さんと親しかった。当時、私は毎月のように成城の大江宅を訪問して話を伺っていたのだ。
二人の関係は一方的ではない。筒井から受けた影響は、当然大江作品に反映される。「治療搭」という大江唯一のSF小説はもちろん東欧のSF小説を愛読していたこともあるが、やはり筒井康隆が近くにいたことが大きいと私は思う。

大江健三郎という人はこと文学に関してはきわめて貪欲だ。いろいろなことに挑戦していく。大家になったからとて、同じ作風で書き続ける人ではない。

1994年、私のチームが大江家を撮影しているとき、大江さんは「燃え上がる緑の木・3部作」を執筆していた。その終盤、これを書き上げたら当分小説は書かないと休筆宣言をした。これは話題となったがその直後ノーベル賞を受賞すると、事態は複雑になった。
ノーベル文学賞をもらった人がその後小説を書かないというのは前代未聞だからだ。

マスコミは騒いだ。これからどうするのか、内外から注目された。

 私はそのことについてストックホルムの旅の途中で大江さんにインタビューした。大江さんは小説は当分書かないが、エッセーやファンタジーは書いていこうかなと思うと、答えた。私はそのとき理解できなかった。
ファンタジーって何ですかと、私はしつこく聞いた。大きな物語で、主に子供たちのために書かれるものというようなことかなと話した。例えばどういう作品を指すのですかと質問を私は続けた。すると、大江さんは即座に「ゲド戦記」と答えた。

1994年段階では、日本ではまだファンタジーというジャンルは存在していなかったのだ。大江さんは西欧の文学の動きにもしっかり目を配っていたから、新しいジャンルとして興ってきたファンタジーの手法に興味をもっていたと思われる。このとき語った抱負は数年後『二百年の子供』という大江唯一のファンタジーとして結晶する。

 そういえば、1987年頃、東西冷戦の末期に「世界はヒロシマを覚えているか」という番組で大江さんといっしょに世界を歩いたことがある。東西の芸術家、学者らと対話するためだ。そのとき、アメリカの作家と話をしようと、大江さんはアーシュラ・ル・グインを挙げた。それは誰か私は知らなかったが、大江さんは彼女はとても面白い人だと思うと愉快そうに語ったことがある。

私はル・グインの代理人を探して、アポを取ろうとしたが、彼女はその頃砂漠に住んでいて電話もなく、また人と会うのが苦手だという理由で、この会見を断念する。
これをきっかけに、私は岩波書店から出版されていた『ゲド戦記』を読む。その頃、童話のコーナーに置かれていた。面白かった。

あれから20年。本日、アニメの「ゲド戦記」が公開されると、テレビが伝えている。


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20年前のゲド戦記_c0048132_949278.jpg

by yamato-y | 2006-07-29 09:40 | 登羊亭日乗 | Comments(0)
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