ターシャの庭
アメリカ、バーモント。北国の春は遅く、夏は短い。そこで、最高の庭を作り上げているのがターシャ・チューダー、90歳である。彼女の四季の庭を紹介した番組が昨夏放送されると、ものすごい反響が巻き起こった。再放送の問い合わせが相次ぎ、衛星放送だけでは見られないとクレームが入って、総合テレビでも縮小したサイズでリメイクされて放送された。その後も問い合わせは絶えない。やがて、出版もこれに注目し、彼女のガーデニング本だけでなく、本職の絵本まで続々出版されている。今、書店に行くと、ターシャ本が平積みになっている。
ガーデニングはヨーロッパの伝統的文化になっており、今世界的に美しい庭作りが盛んになっている。
絵本作家ターシャ・チューダーはアメリカのカントリーにひっそり住んで、一人ガーデニングを楽しんできた。マスコミ嫌いで有名な彼女を、日本のプロダクションが説得して、一年にわたる長期取材を敢行した。その番組の出来はすばらしい。
彼女の庭の魅力は人工的なものを排し、フォーマルな印象がないこと。「自然の楽園」と噂される。
6月、“輝きの季節”。庭が動き始める時期だ。一日中、ターシャは庭の手入れに追われる。
7月、花いっぱいのワイルド・フラワーガーデンとなる。アメリカの代表的な花、ルピナス。これはあのグラハム・ベルがポケットにタネを入れておいて、全米中に撒き散らしたという。これは、まさに「散種」だ。
10月、りんごを収穫し、昔ながらの工程でりんごジェリーを作る。冬の間使用するろうそくを作るのもこの時期だ。
こういう季節の移り変わりが実にゆったりなめらかに流れてゆくのだ。
ターシャがつぶやく言葉も実に味わいがある。
料理のこつはと聞かれて、「近道を探さないこと」
「何かを始めなければ、何も始まらない」
「冬もまたいいわよ。わくわくして春を待てるから」
趣味といえば、我が家の庭をいじるだけの、しかも不器用で少しも形がとれない私にも、心強いメッセージが番組の中にあった。
世界中のガーデナーが憧れる、このターシャの庭だが、造り始めたのは彼女が57歳のときであったということ。
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