虎の子
今11時10分。12時から、「ぼくはヒロシマを知らなかった」の第3回目の試写が行われる。
時間がないのに、やはりブログライティングに向かってしまう。なんとか、1000本記事までこのエネルギーを持続させたいのだ。自分ながら、馬鹿みたいとは思う。
今朝、通勤の車中で1本番組を見てきた。私はほとんど見ない自然動物番組だ。ベンガル虎の生態を描いた作品で110分ある。
場所はインド、ランタンボール国立公園。一頭の雌の虎マッチェリとその子供たちの物語だ。当たり前のことだが、虎はどれを見ても同じに見える。個体識別ができない。だが研究者やウォッチャーは工夫をしている。尻尾が折れ曲がっているとか後ろ足の斑点が6に見えるとか。なるほど、知恵だ。
この取材は4ヶ月ほどかかっている。だが、その程度では虎に近づくことはできない。番組は6年間取材している、アイルランド人写真家コリン・スタフォード・ジョンソンに密着して、虎の生態を追っているのだ。この手法は成功している。
虎の姿を見つけるのはなれないと難しい。コリンの追跡技術。朝一番に公園にはいり。昨晩から今朝までの足跡を念入りに調べ、経験した虎の行動を推測して、居場所を特定してゆくのだ。さらに、獲物となる草食動物たちが虎に対する警戒の声や足音で虎を見つけ出すのだ。虎の狩はたいてい藪の中で行われるが、コリンは虎のウゴキを想像して、先回りしてカメラを向けてゆく。自然番組独特のノウハウがあることを、あらためて確認した。
さて、たいてい母虎は、子供が大きくなるまで連れて歩く。えさをとって子供に与えるだけではないのだ。虎が雄の虎に殺されないように守るということがあるのだ。
虎の子の死亡する大きな理由の一つが、雄の虎に殺されることだということが、近年分かってきた。
雄は雌と交尾したいが、子育てしている雌は発情しない。そこで子供を殺されると雌は発情するので、欲望の高まった雄は虎の子を抹殺しようとするのだ。
しかも、殺されると、雌虎はその殺した雄と交尾するという「不条理」が発現する。
どうってことのない動物番組だが、小細工がないストレートな作りだけに、見て考えさせられることが多かった。
日本語で虎の子といえば、大切にして手元から離さない品物という意味があるが、まさに母虎から見ればそうなるのだ。
だが、雄から見れば邪魔者で、これを消せば雌が獲得できるというもの。
秋田の娘を殺害した母親は、雄といっしょになるため、子供が邪魔になったと白状していると、マスコミが伝えている。月並みだけど、この母は虎より数段劣るということになるのか。
人間らしいってどういうことかなと、ちょっと立ち止まりたくなる番組だった。
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