現代ヒッピーのフェスティバル
ベトナム戦争当時、ラブアンドピースを旗印にしたヒッピーの文化が、アメリカ西海岸で起こった。あれから40年、火は消えたかのように見えるが、実は今も火はあかあかと燃えている。
毎年秋になると、ネバダ州ブラックロック砂漠プラーヤで、8日間に及ぶ「バーニングマン」というヒッピーフェスティバルが開かれる。
その砂漠は、水なし電気なし。高温にして乾燥しきって全くの不毛の地だ。ここに2万人がテントを張り8日間にわたって泊まる。突如として砂漠に不夜城が出現するのだ。
祭りは全員がパフォーマーとなって、アートを制作したり踊ったり非通貨の商売をしたりし、放心状態になるまで騒ぐ。
このフェスティバルには「no spectator」というルールがあって、観客はいない。参加する全員が主役なのだ。
目的は「動と静」「陰と陽」「生と死」「聖と俗」「天と地」「男と女」相反するモノが出会い自然と融合することと主催者は語る。この祭の中心のシンボルは、高さ15メートルを越す木製の人形「バーニングマン」だ。
祭りのクライマックスは最後の夜にやって来る。巨大人形に火を放つのだ。
魂の浄化と無から再生の意味をこめて人形が燃やされる。巨大な火のかたまり「バーニングマン」が崩れ落ちていく。それを見つめるとき、参加したヒッピーたちに法悦が走る。・・・
この祭りのことはインターネットで噂が広がり、年々参加者も増えている。輪は世界に広がり、 日本人も10数人になっている。今年はその10倍になるかもしれない。その参加を予定している日本人から、これを取材して番組にしないかという話が、私のもとへ来た。
実は、これに参加しているヒッピーというのは、町に戻れば優雅な輩ばかりなのだ。ニューヨークのやり手トレーダーであったり、シリコンバレーのエンジニアやスタンフォード大の医学生であったり、まさに社会のエリートばかりが集まっているというのだ。
その事実からして、この祭りはどこか病んだアメリカを表しているように思えてならない。
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