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涙のフィナーレ

ひばり、伝説の東京ドーム⑤

コンサートの前半が終わって和也は少し安堵した。なんとか中間までたどり着けたのだ。なみなみならぬひばりの気力に驚嘆する。
だが楽観は許されない。ステージ陰で休憩をとるひばりの姿は痛々しかったのだ。和也は気が気ではなかった。
「ドームを成功させようというより、お袋倒れないでほしいということが頭の半分以上を占めていました。」

 やがて休憩時間は終わり、コンサートが再開される。
 第二部はアカペラから始まる。そして『真っ赤な太陽』のアップテンポな曲をひばりは歌いはじめる。しかも踊りながら歌うのである。このときの体の状態を考えれば信じられないことだ。ひばりは気持ちよさそうに笑顔を振りまきながら歌う。21曲目にあたる真っ赤な太陽を歌い上げると、ひばりは大団円に向かって疾走してゆく。俺達の歌今どこに→ひばりの渡り鳥だよ→おまえに惚れた→裏町酒場→悲しい酒→われとわが身を眠らす子守歌→花蕾→さんさ恋時雨→裏窓→NANGIやね→暗夜行路→KANPAI!!→ひばりの佐渡情話→涙→ある女の詩→愛燦燦→人生一路→黄昏

 39曲歌い終えた。よくもこれほどの沢山の歌を、ひばりは歌えたものだ。永年タクトを振りながらひばりを見てきたチャーリー脇野は、この「奇跡」はひばりにしか起こせなかったと振り返る。本番前の確認作業のようなリハーサルで見せたひばりの弱弱しい姿は、本番ではまったく消えていたのだ。
 「お客さんがいる状態で歌っている美空ひばりの精神状態というのは格別でした」当時を思い出したのか、チャーリーは小さなため息をついた。常人ではありえないステージでの動きをチャーリーは目撃していた。
「そのときはおそらく半端ではない足の痛みがあったのじゃないですか。ところが実際客が5万人入って、自分が注目されて、自分が一生懸命やらなきゃいけない状況になると、あの方は病気のことも足のことも忘れる。 それくらい激しい動きをしてしまうんです。」

 このときのひばりを見ていた作曲家の船村徹は、ひばりという肉体は消えて魂が歌っていると感じたそうだ。

コンサートはフィナーレをむかえていた。最後のあいさつをひばりはする。
「今日の感激は私の人生の一ページに残ることでしょう。これからもこの感激を忘れずに、今度こそ、つまずかずに生きていきたい。そう願っています。」
 この言葉とはうらはらにひばりの体調はいつ倒れてもおかしくない状態にあった。
つまずかずに生きていきたい、というこの言葉をひばりはどんな思いで口にしたのであろうか・・・。

 エンディングのコーラス曲「黄昏」が流れてきた。舞台からまっすぐに伸びる百㍍の白い道。ひばりはこの花道を歩いてコンサートを閉じることになっている。それは本人の希望ではあったが、和也は懸念した。エンディングの曲が流れてくると、「あそこを歩くのか」と一人ではらはらしていた。できれば花道をずっと横について歩きたかったのだが、そういうわけにもいかない。ひばりはライトに映える純白の道をゆっくり歩いている。時折手を挙げ、投げキスまでしながら。

 道の終点には和也が待っていた。
 「ぼくもう固唾をのんで、ずっとこうね、こんな豆粒くらいのところから、こっちまで歩いてくるのを、待っているしかぼくにはないわけで――。もう少しでこのステージ無事に終わるっていうことしか頭になかったですね。」

 終点までたどり着くと一斉に白いスモークが上がり、ひばりは和也の腕の中に倒れ込んだ。気力で乗り越えたひばりの東京ドームコンサートは終わった。
今になってみれば、和也は東京ドームという大舞台を演ってよかったと考えている。
 「これはほんとにファンの方たちにとっても、我々にとっても、もちろん本人にとっても、大正解でしたね、大正解でした。ほんとに美空ひばりを最後にちゃんと残せたねって、がんばったねっていう、一緒に。これはどなたが欠けてもダメなんですよ。あのステージだけは、あれだけたくさんのファンの方と、やっぱり気持ちがこちら側と一つになってないと、絶対に成立しなかったステージだと思ってますから。今思えばですよ。ええ、ほんとによかったなと思っています。」

 「不死鳥コンサート」は大成功だった。
 この頃、和也はひばりプロの副社長に就任し、本格的に母の片腕となって支えることになる。
 折しも、昭和天皇が倒れ危篤が伝えられるようになる。長かった昭和時代も終わろうとしていた。

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by yamato-y | 2006-06-18 21:40 | シリーズ作品回顧 | Comments(0)
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