雨の露天風呂
小田原のスーパー銭湯に行ってきた。雨の日曜日とあっていつもより空いていた。
温泉ほど快適度は高くないが、それでも広々とした風呂、サウナや薬湯などバラエティがあって楽しい。1時間半たっぷり風呂に入るのはここしかない。
ちなみに私の場合カラスの行水で、内風呂であればせいぜい7分。それ以上つかるということはまずない。暑がりで血圧が高いからなのだろう。
今日のスーパー銭湯は雨だったので最高だった。露天の薬湯につかる。私以外誰もいない。
雨が降っている。体は湯船に沈めてアタマで雨を受けて、ゆっくり雨空を仰ぐのだ。ここは小田原の海に面しているから、空の雲の流れが早い。
子供が二人やってきた。ポリの洗面器を頭にかぶっている。二人でじゃれあっている。そのまま打たせ湯へ走って行った。それを見ているだけで楽しい。
昨夜行った荻窪ぽろん亭のコンサートを思い出していた。
久しぶりにナミさんこと南正人が出演するというので足を運んだのだ。すっかりナミさんも歳をとっていた。穏やかな顔、せり出てきた下っ腹。でもギターをとれば、あいかわらずエネルギッシュに歌う。昨夜の曲目にはキューバの曲がいくつか入っているのが新鮮だった。
会場で、旧友と会った。昔いっしょに遊んだタキさんだ。彼は慶応出身の医者。専門は小児科だ。私と遊んでいた頃はよく酔っ払って「8マン」を振りつきで“熱唱”したものだ。そのまま興がのるとそこらじゅうを走り回って騒いでいた。
そういうときはたいてい担当していた難病の子供が亡くなったときのことが多かったのだ。
悲しみをまぎらすと言わんばかりの痛々しいハシャギだった。心優しいお医者さんだ。
彼の末の子供が高3で来年になったら受験も終わり、ちょっと解放されるから、そうなったらまたゆっくり酒でも飲みましょうと、約束してくれた。
9時15分、ナミさんは最後の歌「海と男と女のブルース」を歌い終わり、コンサートを終えた。やっぱりナミさんも歳なんだ。昔なら10時を過ぎても歌い終わらないことは珍しくなかったのだが。
ぽろん亭を出ると、雨が上がっていた。風が少し吹いて気持ちいい。荻窪駅前の焼き鳥屋でウーロンサワーを一杯飲んで、新宿へ向かった。
夕べの光景を思い浮かべて、雨の湯壷でじっとしていた。
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