広島で住んだ家は?
実家を出て以来、初めて一戸建てに住んだのが広島だった。わずか2年だがそれだけに思い出深い。市内中心部から西へバスで向かう。太田川の放水を越えてゆく。

会社からバスで20分ほどの庚午という町だ。

チンチン電車では古江が最寄の駅だ。井伏鱒二「黒い雨」の主人公らが被災して広島湾を横断するときの出発した入り江のある町だ。
現在では復興なって新しい屋並が整然と並ぶ美しい町だ。
久しぶりに、かつての住んでいた家を見に行った。
庚午中1丁目のバス停で下車。庚午中公園の方へぶらぶら歩いていく。変わっていない。あの頃のままの公園があった。

遊具のアザラシも昔のままの姿でねそべっている。朝出勤するときゲンをかついでアタマをよく撫でたものだ。藤棚もそのままだ。

花崗岩の白い土を歩いて「我が家」へ向かう。お気に入りだった木も並んであった。

あれ、昔の家がない。
私の住んだ家はなく、後にモダンな集合住宅が建っているではないか。

家が消えたからといって悲しい気もしない。むしろ、公園があって、なじみの木が茂っていてくれたことのほうが嬉しかった。
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