トルネードハンター
昨夜、東京は激しい雷雨にみまわれた。練馬では50ミリを越える雨が降った。今年の5月は雨が多い。
雷がびかびか光るなか、背の高い人と歩き回った。普段強気のその人が雷におびえるので驚いた。怖がりかたが尋常でない。稲妻が光るたびにしゃがみこむのだ。背が高いから少しでも周りの人並み以下にしようということらしい。わずか10センチや20センチの差で落雷なんてないのではと冷やかすと、いや雷は思わぬところへ落ちるから油断できないと、きっとした顔でにらまれた。
8年前に「トルネードハンター」という番組を作ったことがある。
アメリカ中西部では夏になると巨大な竜巻(トルネード)が起こって大きな被害をもたらす。その竜巻の正体を突き止めようと日夜観測カーに乗って、竜巻を追う気象学者を描いた作品だ。観測する車には大きな気象レーダーが積載されてあって、竜巻の発生から成長遁走までを克明に追うのだ。ときには竜巻の圏内に突入することすらある。
その突入した場面を取材カメラはとらえた。竜巻の真下は大きな暗がりとなる。そこでは雷鳴が鳴り響き、フラッシュを焚くような雷光が次々と襲う。落雷の危険はないのだろうかスタッフは大丈夫なのか、編集室の画面を見ていても不安を覚える決死の映像だった。
取材したディレクターによれば、気象学者は命知らずの果敢な人物だという。彼が竜巻に向かってゆくので取材班も(仕方なく)その後を追うのだが、竜巻圏内に入ったときはさすがに命の危険を感じたそうだ。この超危険な撮影は放映後業界ではかなり評判になる。その後、民放でもこの気象学者が登場するようになった。最後に流れる番組のクレジットを見ると、私の番組を担当したディレクターの名前がしっかり出ていた。幾度もその気象学者といっしょしているうちに、ディレクター自身も竜巻と雷にはなれたようだ。
ただいま京都到着。からりと晴れている。二条城あたりを歩いたら、強い日差しで汗が噴出した。
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