春の夜汽車
昨夜は、デジタルシネマを製作するM社を訪ねて天王洲へ行った。大伴昌司の映画化の話し合いである。
品川駅港南口からタクシーでワンメーターで天王洲に着く。品川の南が大きく変わったと噂には聞いていたが、聞きしにまさる風景がそこにあった。まるでNYである。
私が訪ねたM社はロフトを改造してスタジオにしたということで、天井の高い三角屋根の美しい建物だった。周囲にはIT関係の若い会社がたくさんある。渋谷とはずいぶん雰囲気が違う。というか、子供がおらず、キャリアウーマンやクリエーターが颯爽と歩いていた。
M社では、副社長をはじめ3人の映画プロデューサーが迎えてくれた。副社長は私と同年だが、他のスタッフは皆若い。
技術的なことの詳細は分からないが、このオフィスではハイビジョンデジタル素材を「非圧縮」のまま、撮影から編集、仕上げ、上映まですべて出来る設備をもっている。副社長の弁によれば、製作の一気通貫になっているそうだ。最新の完璧なシステムらしい。
社内見学を終えたあと、応接コーナーで大伴企画について意見を交換した。まだきちんとしたことを言える段階ではないが、M社はきわめて真面目に誠実に向き合っていただいているということを実感した。なにより副社長は私と同世代で大伴現象を体で知っていることが嬉しい。
夕暮れになったのでビジネスミーティングはそこまでにして、隣の小洒落たレストランバーへM社の面々は私たちを招待してくれた。書き忘れたが、大伴企画を一緒に立ち上げているOプロデューサーと私はいっしょに来たのだ。
「HARBOR」という名前のそこは天井の高い、長テーブルがいくつもある素敵な空間だった。ここもまたNYの匂いがする。
このバーではオリジナルのビールを幾種類も作っているというので、試飲セットをまずいただいた。これがフルーティで実にうまい。ピッツァとソーセージやリブをあてにして、酒がぐんぐん進む。だが不思議に酔わない。気候もよくGood-nightであった。
9時前、お開きとなり私は車で品川駅に向かう。
ちょうど9時10分の湘南ライナーの予約券があったので、それに乗り込む。車内ではもらってきたM社の会社案内に目を通してメモを作る。大船あたりからまぶたが重くなった。
ふと、気づいたら電車は早川を渡っていた。アナウンスが流れる。「まもなく終点の小田原です。お荷物をお忘れにならないように」「・・・・・」
時計を見ると10時10分過ぎ。家に着くのは11時前になるか。BARでの酒が乗車してから効いたのだ。
大磯にもどったのが10時30分。東京へ向かう電車は人影もまばら。赤いテールランプを見せて夜汽車は去った。木下夕爾の句を思い出した。
やりすごす 夜汽車の春の 燈をつらね
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