大磯町の景観
ひょんなことから、昨夜町内の人たちと町おこしについて会合をもった。
大磯駅前にある「ぐぜ庵」という洋風建築を有効活用する知恵出しを私は所望されたのである。メンバーは女性町会議員二人、主婦、女性建築家、町並み運動の会長、そして私である。
町には自然保護派と開発推進派がある。私が会ったのは保護派の人たちだ。なんとか大磯の美しい自然、景観を保全しようと、町議会に参加したり役場に働きかけたりしている。
私は「ぐぜ庵」の有効利用については採算がとれそうもないので口を噤むしかないと思ったが、町の活性化としてフィルムコミッションはどうだろうと提案した。映画撮影誘致活動である。近年、全国の自治体が積極的に行っている。
大磯のかけがえのない自然、文化遺産はそのまま映画の舞台にふさわしいと思う。例えばと問われたので、私はすかさずツヴァイクの道を挙げた。一同、どこのことを言っているのか分からずきょとんとしている。そこで持ってきたデジカメの映像を再生して見せた。「ああ、けものみちね」と理解した。
――そうか。あの道は「けものみち」と呼ばれているのだ。私の住む一画は30年前に開発されたもので、それ以前は漆ケ窪というウルシが群生する山林だった。その頃はウサギや狸が出没し、あの道を闊歩していたのだ。
町おこしの話し合いは2時間におよんだ。たしかに大磯町の佳さを再認するうえでも、映画ロケ誘致は悪いことではないと、一同理解してくれた。10時過ぎお開きとなった。
メンバーの一人は会合を開いたアパートの前に住んでいた。竹垣の立派な和風建築だ。よく話を聞いたら、なんとあの福田恒存氏の身内であった。
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