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長期取材―五つ子のドキュメンタリー

じっくり撮影する

 1970年代のドキュメンタリー番組はじっくり型が主流だった。リサーチ、取材、編集にたっぷり時間をかけるのだ。例えば、五つ子誕生にまつわる番組作りがそうだった。

1976年、昭和51年1月31日に 鹿児島の病院で五つ子の赤ちゃんが無事 誕生し、日本中が大騒ぎとなった。お父さんは山下頼充、お母さんは山下紀子。五つ子たちと対面したときの印象はと記者会見で聞かれて山下夫妻は「あんなに小さいとは…」と絶句し、体全体で喜びを表した。福太郎、寿子(ひさこ)、洋平、妙子、智子(さとこ)。その可愛いいしぐさや表情が連日のようにニュースで全国に流れる。
この話題は日本中の心を掴む。

NHKは出来たばかりのNHK特集の枠で、その成長を長期に追いかけてドキュメンタリーを作り上げていった。
NHK特集「五つ子一年」(1977年2月3日放送)
NHK特集「五つ子2歳」(1978年2月2日放送)
NHK特集「五つ子・サンサイニナリマシタ」(1979年2月9日放送)
NHK特集「五つ子 4歳ニナリマシタ」(1980年2月1日放送)
NHK特集「1年生になりました~五つ子6年間の記録」(1982年4月9日放送)

 ざっと6年間、撮影が続けられた。今では考えられない。というのは、一つの話題にスタッフを長期に張りつけられるほど番組的経済的余裕が現在はないのだ。
当時はチャンネル数も少なく放送時間も終日でなかったので編成的に余裕があった。いわゆるソフトは不足していなかったのだ。だから1本1本の番組(とりわけ特集)に手間ひまをかけることができた。
 技術的な面からもじっくり型は時代にあっていた。「五つ子一年」はフィルムで撮影されている。当時まだビデオカメラは開発途上で機材は大きく持ち運びは不便で、ロケの撮影には適していない。それに比べてフィルムカメラは小型で軽量、ではあるものの、フィルム1巻の収録時間は短く最大が20分だった。加えてフィルムカメラは同時録音が苦手で操作が厄介だった。出来事が発生してもすぐ撮影録音できるものでなかった。だから取材期間を長くしてじっくり撮影するより他なかったのだ。 
しかし、このじっくり型ドキュメンタリーは「五つ子」に続いて「こずえちゃん」「のぞみ3歳」など名作を次々に生み出す。
この方法は取材者と取材対象者の関係を深めるのに役に立ったのだ。長く撮影をしていると、いわゆる情がうつる。取材者は取材対象者に愛着を感じるようになり、取材対象者は取材者に親近感を覚えて次第にヨロイを脱いでいく。その結果、ある場面に遭遇したとき記録撮影を可能にするのだ。

 「五つ子・1年生になりました」で、こういうシーンがある。小学校入学の面接試験が近づいた頃、山下家では試験に備えて予行練習が始まる。面接官役の母紀子さんと一人一人が対面する。山下家の居間にカメラが入っているのだが、母子ともに撮影されることに慣れていてその存在を意識していない。

 次女寿子ちゃんの練習のときだ。部屋に入ってきたときから寿子ちゃんは母に甘えるが母は許さない。練習が終わって次の子と交代のはずだが、寿子ちゃんはテーブルの下に潜り込んで母の脚にまといつく。母は「いけません!さっさと帰りなさい」と大きな声で注意。そして部屋を出る前に一礼しなさいと寿子ちゃんに命じる。しぶしぶ頭を下げた瞬間、次女はゴツンとおでこをテーブルの縁にぶつけた。
痛さをこらえながら照れくさそうに笑う寿子ちゃん。絶妙の瞬間だ。カメラはこの出来事をしっかり記録していた。

 現在のテレビでは、こういうじっくり型取材はほとんどない。時間に追われていて短期間で取材することが要請される。機材の発達がそれを可能にしたということもあるだろう。経費のうえでも日程のうえでも番組編成論のうえでも、長期取材という手法はもはや終わりつつある。だが、このやり方を過去の手法、時代遅れと片付けていいのだろうか。マンネリ化してつまらない、番組が物語化して生気がないと批判される今だからこそ必要なのではないだろうか。

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by yamato-y | 2006-04-26 05:55 | Comments(0)
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