口は魔物、言葉は刃物
言葉は本来暴力を内在させている。人は一言で切れたり傷ついたりする。一回口にしたことは取り返しがつかないのだ。私も一言余計なことを言うほうだから自戒をこめてだが、どれほど言葉によって傷をつけるものかをもっと認識しなくてはいけない。流行の言葉でいえば、ある言葉は人に深いトラウマを残す。
そして今、あまりに人の心を傷つける言葉が多い。
これと反対のことを知人から毎日新聞に掲載されているということを教えてもらった。2月27日の1面にある「余録」というコラムだ。それを引用する。滋賀県立野洲高サッカー部監督の山本佳司さんの話からその記事が書かれている。
《野洲高は今年の全国高校サッカー選手権大会を制した。「セクシー・サッカー」の異名をとる華麗なゲーム運びは高校サッカーを変えたといわれる。生徒数397人。滋賀で一番小さな県立高でなぜそれが可能になったか。▲「人はプライドで動くんです」「精神力とはプライドだと思う」。だから監督の仕事は「イエスの積み重ね」。平均身長169㌢のディフェンスも足の遅いアタッカーも、山本さんにかかると「ちょい悪セクシー」で「ほんまにエロいパスを出す」男の子たちということになる。▲欠点をあげつらうことはないし、平均値にも興味ない。ただただ、いかに長所を伸ばすか》
たいていのスポーツの現場ではこの反対ばかり見られるのではないか。罵倒し、叱咤し、恫喝し、プライドをずたずたにする。否、スポーツばかりでない、学園で会社でも同じことがあると思う。野洲高校の裏返しでいえば、そういう刃物のような言葉で人はどれほどダメになるものか。
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング
胴上げされる山本監督