JALと大伴
さっき九州から帰った。行きは日航を使ったが帰りは全日空を使った。
日航が病んでいるというかんじがして搭乗を避けたのだ。
昨日の読売の社説に、「日航内紛」とあった。日航の混乱を厳しく批判している。その記事をJALの機内で読むのも皮肉だが、読み終えてイヤーホーンを耳につけた。ところがヘッドフォン差込口が不安定で音量が揺れる。仕方がないので空いている隣席のジャックに差し込んだ。そこも音が歪み揺れる。二度続くとなるとこれは偶然ではないだろう。メンテナンスが不備だといわざるを得ない。
機内を見回すと空席が目立つ。というよりガラガラだ。ドル箱の福岡便にしてこの有様だ。
シートの前のポケットも心なしか乱雑だ。昔は靴を脱いであがるのかと思うほどJAL機内はぴかぴかだった。今はアメリカのローカル便のような雑さが目に付く。貧すれば鈍するかな。
ちょっと気になるJAL批判がある。社内に労働組合が9つもあってこれが不振の元凶だという論調だ。そんなはずはない。労組は基本的に従業員の待遇と業務の安全を第1に考えている。それは利用者の利益と対立しない。給料一律10%カットを会社は組合に要求したというが、これは転倒だ。経営責任を果たさないまま労働者に矛盾を押し付けるとはその経営自体の破産ではないか。ただ、飛行機会社の給料は高すぎるとか人があまっているとかタメにする噂がそのうち流れることは予測される。
詳しくは分らないが、ニッサンのゴーン社長の改革を誉める声が大きいが私はかねてから疑問がある。大船から平塚にかけてニッサン関係者がかなり住んでいる。こどもの友人の親御さんにもずいぶんいた。それが改革時かなり人員整理にあっている。人を減らして成功と言われるとかなりひっかかるのだ。
大伴昌司の少年マガジン巻頭図解の名作に「大空港」がある。往年の羽田の賑わいをドキュメントした作品だ。この企画のうらに大伴の恋がある。大伴は株で利益を得たとき自宅を改造した。そこにアパートを作り羽田に勤めるスチュワーデスだけを入居させた。池上から羽田まで近いこと、家賃の滞納がないこと、独身女性は部屋をきれいに使うこと、などを考慮して店子のえり好みをしたようだ。いかにも大伴らしい子どもっぽい発想だ。
この住民との交流から大伴は大空港のアイディアを得たと思われる。そして、その中の一人のスチュワーデスと親密になった。母のアイさんは気がついた。
だがその恋は成就せず顕在しないまま、女性は結婚のため仕事を辞めアパートを去った。この話は母堂から聞いた。ウラは取れていない。残念なことにその人は最近亡くなったということだ。その人は日航のスチュワーデスだった。“デスの彼女”を大伴はちょっぴり誇っていた時期があったのだ。
日航にがんばってほしいと思う。
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博多は昨日はれていた。かすかに沈丁花が匂っていた。思いがけなかった。