大部屋さんの鑑
本日、評論家の川本三郎さんと話していたら、突然松竹の大部屋女優だった谷よしのさんの話になった。いやあ、11月に偶然のことから谷さんを私見ましたよと、ノー天気に話したら、川本さんが2月初旬にお亡くなりましたよといわれた。
吃驚した。たしか
11月2日のこのブログで谷さんをお見かけしたことを書いたし、谷さんは90近いお年だがまったくそう見えないと記したばかりだったから。
2月となると、闘病でもなく突然の死であったにちがいない。あのときあんなに朗らかに仲間と話していたのだから。ただ、あのときの話題は遺産の後始末の話だったことは、今となっては不気味ではあるが。
谷よしの――昭和11年7月、松竹に入社。松竹が大船につくった俳優学校の第1期生で、「自活のできる仕事がしたい」と家族の反対を押し切って女優を目指した。以来、大船創生期から閉鎖まで64年間、大部屋女優一筋。私は彼女の最後の出演をテレビのカメラで収録するという縁につながった。
考えてみれば、大船が閉鎖になるという話題をNHKスペシャルにしようとしたとき、評論家の川本さんにいい知恵をいただこうと相談したのだ。そのとき、川本さんから谷さんのことを教えてもらった。映画関係者はともかく映画ファンの視点から谷さんを発見したのは、たしかに川本三郎さんの功績だった。川本さんも谷さんの死がずいぶん残念であったのだろう。この話題をルパンのカウンターについたときすぐ口にされた。
谷さんのご冥福を祈る。合掌。
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