ETV特集、銀座ロケ
木村伊兵衛の番組ロケを、銀座で行った。場所は懐かしい文壇バー、ルパンだ。
かつて、太宰治、織田作之助、坂口安吾らが集うた、伝説的な店である。ここのカウンターで撮影された、太宰や織田作の写真はあまりに有名だ。
集合予定の3時に着いたがロケの本隊はまだ到着しておらず、私はオーナーの高橋さんと名刺交換してひとしきり、この店の伝説についてあれこれ聞いた。
開店は昭和3年。当時、銀座5丁目のこのあたりは場末に近いかんじだったそうだ。隔世の感がある。
昭和48年に、建物を少し改築して、ルパンの内装も変わったが、場所どりも家具も昔のままを使っている。カウンター奥の丸イスは、まさに太宰の席だったので、私は座ってみた。少し嬉しい。
そんなことをしていると、本隊がやってきた。本日の主役、川本三郎さんもいる。久しぶりにお会いする。このところ川本さんの本はいろいろな場所で評判になっている。川本さんはいち早く藤沢周平を評価してくれたことが嬉しかったことを、今も記憶する。
本当に偉ぶらない人だ。にこにこしながら、木村伊兵衛の写真のもつノスタルジーについて分りやすい言葉で話してくれた。ノスタルジーの感情は、東京のように2度も大破壊を体験している都市では大切なものだと強調しておられた。私も共感することしきり。
このルパンも、私は初めて来たがどこかノスタルジーを覚えるのだった。
ここに来るまでに、銀座や月島のあれこれを、本隊は川本さんとともに撮影してきている。町のガイドにもないような、いい路地のあちこちを川本さんはたくさん紹介してくれたと、ディレクターは教えてくれた。うむ、早くラッシュ映像を見てみたいものだ。
来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング
