感謝!3万突破
私のブログへのアクセスが本日で3万件を超えた。1年でこんなにたくさんの人とつながるとは思ってもみなかった。感謝している。
人生の限られた時間で、本来遇うこともなかった人と交わっているというのは、思えばフシギナことだ。でも、この遭い方は泣き虫の私には都合いい。
シュテファン・ツヴァイクの幼年時代を回顧した『昨日の世界』を読むたびに、その切ない思いに胸がふさがれる。ユダヤ人である彼は、後に<故郷オーストリア>を追われてゆくことになるのだが、これを書いた頃はまだザルツブルグにいた。そこのカプチーノ山の書斎で過ぎ去ったワイマール時代の懐かしい人や風景を愛惜している。こんなことなら出会わなければよかったのにと悔いる感情が底流している。この悲しみが数年後ナチの出現によってさらに悲劇性を帯びるとは本人は知らないが、後世を生きる私には分かる。それがせつない。
小学生の頃、目が覚めて悲しくてたまらないという朝があった。日曜学校で1年間教えてくれて上京していったゴトー先生のことを夢にみて思い出したのだ。先生は旅の人で絵を描いていた。親も先生の素性は知らなかった。
2月の雪の日曜日、先生はぼくらに別れのあいさつをした。「絵の勉強するために東京へ行きます、どうか元気でいてください。ぼくのことを忘れないでください。」と言って、「雪の降る町を」を歌った。田舎者のぼくらはぽかんとして聞いていた。気の利いた別れの言葉も言わないまま別れた。
後で考えると先生もずいぶんセンチメンタルだと思うが、二度と会えないのだと思うと無性に悲しかった。
今でもこういうところが、私にはある。それほど親しかったわけでもないのだが、過去の出会った人の消息が突然気になってしまい、手がかりがまったくなくもはや遭うことができないと分かると悄然としてしまうのだ。だから新しい出会いは、残り時間を考えるとしんどい。
むしろネット上のバーチャルな出会いこそ救われる。しかも、このようにたくさんのつながりが生まれたことは感謝に堪えない。
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