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虹の足

他人には見えて自分には見えない幸せ

虹の足_c0048132_23253415.jpg

人は幸せの中にいるときに、それを感じないままでいることがある。
1994年はわたしにとって“黄金の年”と呼べるものであった、と今になって気づく。

そのとき私は広島にいてプロデューサーとして、次から次へと番組を制作していた。
その前の年からリサーチしていた広島カープの津田恒美投手の人生の番組のロケから1994年は始まった。すぐに、夏の原爆の日関連で原民喜ゆかりの一族を追う特集の制作も動き出す。さらに、原爆の日につながるように、大江健三郎と息子光のドキュメンタリーも撮影を始めてゆく。これらの番組の他にも、ローカルの短い番組はいくつも連なっていた。私は忙しかった。

 単身赴任だったので生活は不規則で、周囲に八つ当たりしながら多忙を極めていた。
7月に津田投手の番組が放送されると大きな反響があり、本にしないかという話が舞い込んだ。番組のディレクターと二人で書くことにした。また忙しさを背負い込んだのだ。

 8月に原民喜の番組が放送され、やがて大江親子のドキュメンタリーもオンエアーとなった。内外からたくさんの祝福を受けた。津田本も出版され話題になった。それやこれやで、9月のある日、仲間と集まってお祝いの会を開いた。深夜まで飲んだ。
自宅にもどると無人の部屋の中で電話がりんりん鳴っていた。こんな夜中に何だろうと思って電話を取ると、大江さんにノーベル文学賞が内定したという知らせだった。

その日から11月末までどうやって仕事をこなしたのだろう。自分でもしっかり覚えていないがとにかく忙しかった。
知らせを受けた翌日東京へ私は飛んで大江さんにお祝いを申し上げた。局に上がると、ノーベル賞の特別番組を作ることに決めており、私にディレクターをやれという。留守にする広島のこと、大江家との交渉、スェーデンとの連絡、そして帰国後の東京、広島の往復。
ずっと興奮した状態が続き疲れはそれほど感じないまま年の暮れをむかえた。

年が明けて1995年、依然多忙は続いていた。
6月に東京へ転勤になった。意気揚々と帰っていったが、帰った場所が不満だった。それとそれまでの疲れが重なったのか、6月末、私は脳出血で倒れた。
以来、私には長く1995年の脳出血の記憶が残り、1994年のことは霧の彼方になっていた。
後に、吉野弘の詩「虹の足」を読んで、私ははたと気づく。1994年、私は虹の足の中にいたのだと。

 虹の足
雨があがって
雲間から
乾麺みたいに真直な
陽射しがたくさん地上に刺さり
行手に榛名山が見えたころ
山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
眼下に広がる田圃の上に
虹がそっと足を下ろしたのを!
野面にすらりと足を置いて
虹のアーチが軽やかに
すっくと空に立ったのを!
その虹の足の底に
小さな村といくつかの家が
すっぽり抱かれて染められていたのだ。
それなのに
家から飛び出して足にさわろうとする人影は見えない。
――おーい、君の家が虹の中にあるぞォ
乗客たちは頬を火照らせ
野面に立った虹の足に見とれた。
多分、あれはバスの中の僕らには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるだろう。
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが――。

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by yamato-y | 2006-02-10 12:38 | 魂のこと | Comments(3)
Commented by dann-dann at 2006-02-11 20:43
はじめまして・・
 大人の 落ち着いた 文章に ホッとします
 虹の足とは いい言葉ですね
  自分には 見えない幸せの中で
  格別 驚きもせず 
  幸福に 生きていることが__。
  
 ありがとうございます
 折々に 虹の足を 思い出します
 
 
Commented by Caneo at 2006-02-12 04:48 x
『虹の足』をまた読みにきます。ありがとう。
Commented by 寺山あきの at 2006-03-20 19:19 x
その後お体はいかがですか。
大江健三郎さんと光さんの番組は今でも憶えています。わたしはスエーデンにいったときに、大江さんのノーベル賞のときの食事というのを体験してきました。
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