若い肝っ玉おっかあ
JR札幌発千歳新空港行きの快速電車に乗った。シャトル便だからこの電車は混む。
本日も乗車率120㌫ほどの混みぐあいだった。
隣の新札幌から子供を抱っこした若い母が友人らしい同年代の女性と談笑しながら乗ってきた。
座っていた中年のおじさんが席を譲ろうとした。「大丈夫ですから、結構です」と丁寧に礼を言って、また友人とおしゃべりしている。学生時代のことでも話題にしているのだろう、あの子はどうしたとかあの先生にこの間会ったとかたわいもない話を嬉しそうに語らっている。聞くつもりはないが、声が大きいのと赤ちゃんが可愛いのでつい見ていた。
赤ちゃんはまだ1歳の誕生前だろう。防寒着をいっぱい着せられて、目と鼻と口だけが露出しているだけだ。言葉にならない「あああ、うううう」と機嫌のいい声を出している。若い母親はときどき気がついたように、「よしよし」と言って体を揺する。
母親が赤ちゃんをあごで指しながら友人にこう言った。「この子ね。我が家の微笑みの貴公子よ」 一瞬、戸惑う。相当の親ばかかなと内心で思った。すると、
「でもさあ、本当のところは、微笑みの朝青龍かな」と言ってけたけた笑っている。
恵庭で、その母と友人、そして赤ちゃんは降りて行った。出口に向かう際、さきほど席を譲ろうとした男性に母は「お気遣いありがとうございました」と声をかけていった。明るくいい声だった。
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