大磯もみじ山からの海
大磯駅に帰りついたら残雪があった。昨夜降ったらしい。あんなに寒かったのだからありうるなと独りごちながらツヴァイクの道を上がって帰った。
春はまだ遠い。山鳥がさかんに囀っている。冬の森は明るい。葉が落ちるとこれほど展望がきくのかと思い振り返って海を眺めると、そこには真っ青な海があった。

もみじ山は日曜日といっても普段と変わりなく静かだ。谷間の家々も冬篭りの中にいる。ダグラス・ラミスさんの本に、愛国心(パトリオティズム)とは英国では本来わが生まれ育った谷間を愛するということから始まったと書かれてあったが、まったくその通りだといいたい。ただし、私はここで生まれては居ないのだが。
帰り着いたら午後2時、教育テレビで先日見た「息子をなくした父として」が再放送されていたので、つい見入る。
ききての重松清さんが最後の質問といって「もし、30年後か40年後になくなって天国で息子の清輝さんに会ったら何と言いますか」と聞く。
父の祥晴さんはやや間が会って語る。「何と言うか、ごめんなとしかいいようがないですね」
放送が終わって、窓辺による。峰を望むと昼間の月が出ていた。
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