テレビが輝かない
テレビが田舎の我が家に来たのは、皇太子(今の天皇)ご成婚から3年ほど経っていた頃だ。
以来、テレビ好きはずっと続いている。何時間見ていても飽きない。
ララミー牧場、ホームラン教室、シャープさんフラットさん、キイハンター、ぽんぽん大将からトッポジージョ、シャボン玉ホリデー、家族そろって歌合戦、今夜は最高、・・・。
テレビはいつも面白かった。下品で軽薄で涙もろくて、愛嬌があり可愛げがあった。
娯楽なんてない地方の町ではかけがえのない暇つぶしだった。
自分がそのテレビに関わるようになると、ドキュメンタリーや福祉番組など固いジャンルにも目が向くようになった。それなりに面白かった。テレビは時代に先駆けていたし新しいものを教えてくれた。
(ト書き風:ここで音楽が暗転して)
今、テレビは面白くない。週末の番組編成を見たって、各局面白くない。なんでこんないい時間にこんなクイモノやワライやスポーツばかりやっているのか。
この数年、ドラマで夢中になったのは「冬ソナ」のみ。あとは感情移入できない。(昔は、美少女仁科明子が演じた「バラ色の人生」とか吉衛門が凛々しかった「長い坂」とか「ただいま11人」なんていう大家族ユートピアものなどがあった。)
バラエティは80年代からMANZAIブームが来て、以来さまざまな笑いが波状的に押し寄せてきたが、今のわらいの空疎なこと。テレビの笑いの上方化はもううんざり。
ドキュメンタリーも冴えない。(かつて、ぐるっと海道3万キロ、遠くへいきたい、など品がよくしゃれた番組がいろいろあった)
映画はテレビにとってかわられる直前まで、自分の凋落に気がつかなかった。映画人はテレビを電気紙芝居とバカにし、自分らの作品を本編と呼ぶぐらい身の程知らずだった。時代が角を曲がりテレビ時代となると、映画はどさっと落ちた。この逸話が今頭を過ぎる。
大鵬を破った貴乃花が千代の富士に敗れ、千代の富士が貴花田に敗れたように、映画を追ったテレビは、次世代のITに追われていくのだろうか。まだこのニューメディアにはみなぎるエネルギーやオーラを感じないのだが。
なにより、テレビが自分自身に飽きているような気がしてならない。
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