定年再出発 |
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それでもYESと言いたい
昨夜から喉の調子が悪く、帰宅時から声がかすれはじめベッドにつく頃になって咳が止まらなくなった。夜中何度も目が覚めた。しかも寒さは厳しかった。 今朝目覚めたら雪が降っていた。音もなく清楚な粉雪が舞っていた。庭に10センチほど積もった。天気予報どおり、今年一番の寒気が湘南にも侵入したのだ。 中島義道『私の嫌いな10の人びと』を読んで複雑な思いをもった。本のオビには「いい人の鈍感さが我慢できない」とある。著者のことは以前から2冊ほど読んで知っている。日本の音環境(騒音)に腹をたてていて、駅構内の無用なアナウンスに本気で怒っていた。言っている趣旨は肯うものがあるものの反応の仕方がいわゆる常軌を逸しているかんじが残った。変わった人だなあという印象がある。この人は現代の日本社会からいささか逸脱していると感じた。 さて、氏が挙げる10の嫌いな人びとの中で、5つのタイプが私にズシンと響いた。1、みんなの喜ぶ顔が見たい人 2、いつも前向きに生きている人 3、自分の仕事に「誇り」をもっている人 4、「けじめ」を大切にする人 5、「わが人生に悔いはない」と思っている人。 中島氏は偽善的なこときちんと考え抜かない人に対して、そのいい加減さが我慢ならないようだ。例えば、「喜ぶ顔を見たい人」――その願望は自分のまわりを自分の好ましいように整えたいというエゴイズムだと見る。ただし、氏は自分の考えが今の社会ではなかなか理解されないし、自分もエゴイストであることを自覚はしている。《もちろん、私も筋金入りのエゴイストですが、少なくともそれに気づいている点、ましだと言えましょう。》 ボランティアや難民救済などいわゆる美徳は実は悪意や鈍感に裏打ちされたものではないか、通り一遍の紋切り型道徳こそ排他的で暴力的ではないか、という彼の主張は分からないでもない。 中島氏自身、親が死んだときも悲しくなかったし親戚付き合いも断ち切ったし妻(たしか別れたと思うが)や息子の顔も見たくないと宣言する一方、「24の瞳」で演ずる高峰秀子の泣き虫先生が大好きだと語り、幼い愛児を亡くした悲しみを歌う中也の詩に涙ぐむ。 授業負担を減らすために会議をえんえん続ける教師のあほさ加減、迷惑をかけないで生きよと説くことの残酷さ、賭け事につまらなさを覚えること、など私が共感する点も少なからずあるのだが。 中島氏は分かったうえで、美徳のもつ胡散臭さを嫌悪する立場をとるとしても、やはり私は彼が揶揄する「偽善的」美徳をもつ人の側に立ちたい。 嫌いな10人の最後の10人目、「わが人生に悔いはない」と思っている人について少し考える。私は以前ブログでこのタイトルの文章を書いた。癌を宣告されたタクシー運転手の最晩年を描いた番組についてだ。だから、この部分にこだわるのだが。 悔いはないなんてことを言う人は過酷な人生を送った人にこそ似合うと氏は言う。不幸な中で死んでゆくとき、オレの人生は無駄だったということを口にすると、まわりはこぞって「そんなことはない」と全否定するもんだ。こうして本当は悔いをもっているのだが、それをまわりが止めて本人も納得すると、集団催眠は成功したことになると、氏は分析するのだ。 これは死んでゆくものが感謝しているというストーリーを作り上げて残された者が安心するためという。もし死んでゆく者が人生を恨んだりすると、残された者は後味が悪くなるから。死んでゆく者にとっても最後にこんな人生嫌だったと白状したところで、何もいいことはない。だから、仮に嫌だと思っていてもぐっと腹に収めて「人生に悔いはない」と言っておけば、死ぬものもまわりも皆助かる。――こういう欺瞞が我慢ならないと、中島氏は語るのだ。 ――でも、いいではないか。負け惜しみかもしれないし残された者の身勝手な論理かもしれないが、「人生に悔いはない」と言って四方が丸く収まり納得するなら。 もし、最後の場面でがたがた騒いだら状況が変わるのか。病が癒え人生にやり直しがきき周りが喜ぶのか。 死ぬときぐらい本音でいたいとうそぶくのはガキのようなわがままではないだろうか。 中島氏が別のところで記すように、人生とは過酷で厳しいもの。だからこそ、死ぬ間際も死んでからも見栄をはって、「人生にYES」と意地をはって、死に延びてやろうじゃないか。 来られた記念に下のランキングをクリックして行ってくれませんか
by yamato-y
| 2006-01-21 13:24
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