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まだ浅き春よ、来い

まだ浅き春よ、来い_c0048132_11455237.jpg

辻邦生と辻佐保子

このところ辻邦生に惹かれている。偶然、晩年のエッセー「のちの思いに」を手にとって以来、昔買った彼の著書をパラパラ読んでいる。
 かつて、辻の作品で夢中で読んだのは『背教者ユリアヌス』だ。購入した日付も場所もはっきり覚えている。
神戸、住吉の北口の書店で昭和47年に求めた。分厚い本だったが、読み始めると停まらず次の日の夕方には読了した。伝奇小説の醍醐味を知った。続いてこの著者の初期の作品『夏の砦』を読み一時期、辻の世界に夢中になった。

 三十代には読まなくなっていた。時折、書店や図書館でその名を眼にしても、意欲がそそられることが少なくなった。ただ、タイトルに使われる言葉はみな気にはなっていた。西行花伝、明月記、安土往還、薔薇の沈黙、美しい夏の行方…

「のちの思いに」は立原道造の有名な詩から引用したものだ。この詩自体も私は好きだったが、辻自身が自分の命を見切ったかのようにしてこの語を使用したことが気になった。まもなく辻は急死(私にはそう思えた)した。
 ――その「のちの思いに」を一読して、やはりそうだったと知った。「末期の眼」ではないが、澄明な文章は私をとらえて離さない。

 その補遺のようにして編まれた本が、夫人辻佐保子の『辻邦生のために』だ。2002年に出版されて手に入れたがすぐ田舎の母に渡して、私は読んでいなかった。先日、雪下ろしで実家に帰ったとき見つけて、帰りの新幹線で読みふけった。
 いつのまにか眠った。目が覚めると富士川の鉄橋を渡るところだった。夕影の富士山がいた。冬の長い日を浴びて心細そうだった。辻の世界を夢に見ていたのでどこまで現(うつつ)かさだかでなかった。「昔のような」古い時間が流れていた。懐かしさだけに止まらない、過ぎ去った時間の粒子で組成された富士山がいた。

 ビザンティン美術の専門家である辻佐保子の著作には以前からイコン、ギリシア正教、サーカスのことなどで馴染んだことがある。が、きわめて堅い学術的文章だったが、この本『辻邦生のために』は故人への愛惜に満ちた素敵なものだった。

 邦生のことを中心に編まれているが、後半佐保子の仕事の文章もある。その中に「キオス島」というのがある。(おそらくエーゲ)海に浮かぶ島にある修道院のモザイクを見にいった話だ。短い文章だが、古びた修道院にかすかに残るモザイクとの邂逅の場面は美しい。どこか須賀敦子を思い起こさせる。

 ふっと、私もそういう気分になったことを思い出した。
たしか昭和43年、大学2年の早春だった。まだ雪の残る金沢を朝出発して京都へ行った。
北白川の寺院を回った。そのときの詩仙堂と曼珠院が忘れられない。まだ観光客もまばらだった。道も整備されておらず、農家の人に道を聞きながら訪ねた。竹林に囲まれた曼珠院の門前にたったときの感動は今もある。
春になったら、京都へ行きたい。

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by yamato-y | 2006-01-16 11:46 | ブロギニストのDJ | Comments(0)
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