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賢者の面影

夷斎先生、石川淳

昔から石川淳の盛名は聞かされていて書名とアナ系であることだけは知っていた。本棚の整理で奥から『夷斎小識』が出てきたので読んだ。歯切れのいい文章で恐ろしく迷いがない。昭和52年発行となっているからまだ石川が生きていた頃に私は購入している。夷斎とは石川の号。連句などでその名をよく見かけたのでそれは知っていた。

 その本のなかで、むかしは人間五十年と見切りをつけていたのも、まだるこしい四季のうつろいにうんざりして世をはかなみたくなったのだろうと、書いている。そうだよな。いくら寿命が延びたと言ってもたいがいにしろよと言いたくなるのも五十過ぎてから。
そんな気分も入り混じった句が夷斎作で別の章に出てくる。
いつ幕をおろす芝居か去年今年

 この賢者に一度だけ私は会った。「作家が読むこの一冊」という番組で、石川の『黄金伝説』を取り上げた時の事だ。朗読は野坂昭如さんにお願いした。このテキスト使用の許諾をいただくため青山のご自宅へ私は参上したのだ。あの剃刀と言われる石川淳だ。どういう風に応対すればいいのか、私は緊張した。

 夷斎先生は車椅子で現れた。若い奥様が後ろから押して来られた。先生の白髪が美しかった。見覚えのあるお顔だった。一点戸惑ったのは終始にこやかで一言も発せられなかったことだ。わたしのお願いをただにこにこ笑って聞いておられた。そのときは緊張で気づかなかったが、明晰な夷斎先生ですら年には勝てなかったということだ。うんざりする五十から三十年以上を経ている先生とすれば世を厭い世を脱け出すこともすべて超越した地に立っておられるのも至極当然のこと。

 戦時中、覚悟して軍部と戦った偉大な文学者とこうして遭える喜びを、私はひしと感じた。辞去して表参道を下って帰るとき興奮で紅潮していたことを覚えている。木枯らしが吹いていた。
賢者の面影_c0048132_19173347.jpg

夕方になって晴れた。
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by yamato-y | 2006-01-02 19:19 | 賢者の面影 | Comments(0)
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