机の上を片付けて
今日で仕事は終わり、次に出社するのは年が明けて5日だ。今年がどんな年であったかは大晦日に総括しようと思うが、仕事についてだけはここでまとめておこう。
今年制作した番組は2本。1月1日未明に放送した分をいれると厳密には三本だが、まあ2本と数えるべきだろう。
定年になり、第2の職場という情況の変化。文化番組部から企画開発部という番組以外のことも考えるという部署に異動になったこと。これらが重なり番組の制作が減ったのも故なしとはいえないのだが、それにしても少ない。
昨年の今頃、毎日新聞のコラム「放送人」で私が取り上げられたとき、現役で最も多く番組を作ってきた男と紹介されたことから考えると隔世の感がある。
ところで、制作した番組は「感動!昭和人物伝・ペルソナα」と「スーダラ伝説・植木等」。
皮肉なことにこの2本は同じころ放送された。直前はてんてこ舞いで多忙を極めた。これが前期1本、後期1本なら丁寧に編集仕上げができたものを――と考えるが、テレビはそうやって作るものではないということは知っている。映画のように余裕をもって作ると、番組の勢いというかオーラが消滅しやすいのだ。だから時期が集中したことは悪材料ではない。
「スーダラ伝説」は30年来あたためてきた企画が実現した。これもひとえに子息の比呂公一さんの尽力による。さらに丁寧に人生の軌跡を取材し描いたディレクターの牛山さんの努力が実った。こうして11月1日に放送され関係者から高い評価を得た。が残念なことにハイビジョンのみの放送だったために広く知られることがなかった。
だが衛星放送編成が動いてくれた。好評にこたえて衛星第2放送で新春に放送されることになったのだ。1月6日金曜日、夜10時からいっきょ110分全放送される。見ていない方にはぜひとすすめたい。植木等という人格がどれほど時代と伴走してきたかが、分ってもらえるはずだ。ナレーションの国井雅比古アナの読みにも注目して。
「ペルソナα」は10月29日の土曜日、夜7時半から総合テレビで放送された。土曜日のゴールデンアワーという激戦区だ。やや地味で真面目な内容だったが、いつもの視聴率より3ポイントほど高かった。昭和という時代にスポットをあて一生懸命生きた「美しい」日本人という内容に大きな共感を得たのだ。特に私と同じ団塊世代からつよい支持をいただいた。おりしも「3丁目の夕日」などで昭和レトロが起きつつあると時代を読んだこともうまくいった一因かもしれない。
時代がそういう生真面目なことを望んでいるということを証明したことでも、この番組を制作してよかったと、今は思う。この番組はあるコンテストに今エントリー中である。
少ない作品数であったが、それなりに伝えたいメッセージをもって番組を作ることができた。派手ではないが、新しいスタイルを模索することもできた。この線をもう少し続けていきたい。
一方、来年こそハードなドキュメンタリーにも挑戦したい。1つは韓国、もう1つは広島。
そのための資料を整理し今日自宅へもって帰ろう。おそらく、毎日パジャマのままの姿が続くだろう。8日間の休みには怠けないで資料の読み込み、企画ノートを作成することに力を注ごう。
休日だからといって電波は休まない。今日も局の大きなパラボラアンテナは天を高く仰いでいる。
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