チュンサンの悲しみ
スコットランド、韓国と続けて旅をして、インターネットで気がついたことがある。
ブログをかの地でもやりたいと,ケーブル、USB,カメラを持っていった。ところがイギリスでは日本のサイトにたどり着くことすらできなかった。
韓国では「YAHOO JAPAN」のページまで行けたが、パソコンに日本語機能がないので「読むことのみ書き込めない」と説明された。仕方なく適当にクリックして読んでみた。おもしろいことが発表されている。書きたいなあ。このソウルで見聞したことをリアルタイムで伝えたいなあと寂しく眺めるだけ。まるで「影の国」へ行った気分だ。
ブログを読むだけでもいいかと、ポータルサイトでアルファベットでキイワードをあれこれ入力する。〈ranking ninnki blog・・・。〉すると開いた。
人気ブログランキングが出た。カテゴリーの中から映画、テレビを探しクリックすると、見慣れたランキングが表れた。しめた。
私のブログがあった。次に、これに入り込めるかだ。簡単だった。IDネームもキイワードも両方ともアルファベットだったから。(このときほど横文字であってよかったと思ったことはない。それまでなぜ日本語じゃないのだと不満だった。)
本文を書こうと思うが、キイをたたくと出てくるのはアルファベット。仕方なくローマ字入力することにした。arufabetto deとタイトルをつけた。多少不便でもこれなら伝達できると感心した。書き込み作業の最後に(人気ブログランキング)というタームをつけなくてはならない。前頁を開いてコピーをやってみるとうまくいった。作業中の頁にもどりペーストすると、うまく張り付くではないか。韓国語パソコンでブログの中に日本語を作り出せたのだ。ためしに前日のブログ記事「ソウルへ行く」を引っ張り出し、ソウルという言葉をコピーして、本文のタイトルの後ろにペーストした。「arufabetto deソウル」となった。
このでんでいけば、韓国からインターネットで日本語入力するのもできないことはないと実感した。やや不自由だけど、過去のブログ記事から使いたい単語や文節を見つけて、その都度運んでペーストさえすればいいのだ。「影の国」から「光の国」へかすかな声を上げられる思いがした。
映画「ゴースト、ニューヨークの幻」を思い出した。ゴースト(幽霊)になった主人公が恋人に自分の存在を知らせるために、銅貨を指に乗せて送るという、あのシーン。見えないだろうが本当はここにいるのだという、ゴーストの叫びを乗せた銅貨・・・。
こんな思いがあったから文章の最後に、《oooi nihon no tomoyo oira ha kokoni iruzo》と書いたのだ。おかしかったのは返事のコメントが全員アルファベットで書いてきたことだ。「光の国」の人はそのままでいいんだよ。「影の国」の住人は話せないけど読むことはできるのだから。

「影の国」のエピソードはもちろんチュンサンのセリフを意識している。
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