早朝のラン
昨年秋から、毎朝6時に出発して7時に戻るランニングを始めている。きっかけは完全定年(嘱託、委託業務などもすべて終了)になって生活が不規則になったことだ。勤めに行かないから起床就寝を気にしなくなり、つい夜更かしするようになった。ネットフリックスを入れたばかりでだらだら映画、ドラマを見る羽目になった。ウィスキーをチビチビ嘗めながら深夜2時まで起きていることになると、起床は11時過ぎ。遅いブランチを食べると、散歩に出るのが午後2時。往復12000歩ほどの4つのコースを順繰りに歩いていた。
そんなある日、散歩から戻って7時ごろ夕食をとって、サスペンスのテレビ映画を見始めた。終わると11時過ぎだった。腹が空いたので家人(寝入っていた)を起こして、「晩飯はまだか?」と告げたところ、大騒ぎとなった。夕方食事をとったことを忘れたのか、いよいよ痴呆が始まったと家人はわめく。面倒くさくなって一喝、「ウルサーい。病院に行って調べてくるよ。話はその後だ」と啖呵をきった。とは言うものの心細い。これが、「ちほうへの道」かとへこんだ。
長年診てもらっている長尾先生の紹介で、東邦大学病院の物忘れ外科の診断を受けた。
結果は白。スキャンも知能検査も異常なし、ほっとした。ただしと賢そうな女医は言葉を継いだ。「生活が乱れて夜更かしがひどい。午前中がまったく活用されていない。これを続けると早晩認知に障害が出るのは明らかだ。規則正しく寝起きして、朝食の前に30分以上運動をするように律っしてください」と言い渡され一枚のシートをもらった。マス目の欄が7段あって週間の記録をつけるようになっている。午前午後の予定を事前に書き、当日の動きを記す。最後に、その日の意欲度をつける。これらの欄に記述して、1年後にそれをもって再度診察を受けるように言われた。
願わくばピンピンコロリ。惚けたくないその一心。すぐ実行した。
最初の1ヶ月は徒歩で毎日13000歩、90分だった。早朝に90分は時間を取られすぎだ。この半分にしようと走ることにした。40分6950歩数。これが現在のメニューとなっている。9月から始め、実行しなかったのは、旅に出た日を入れて7日だけ。三日坊主が長持ちしている。理由は快眠、快食、快便だからだ。すこぶる健康。