
ミュージカル「冬のソナタ」報告1
一昨日、天安でミュージカル「冬のソナタ」のテクニカルリハーサルを見た。諸般の事情でゲネプロの形には至らなかったので、技術的調整のための稽古となった。つまり、オーケストラはなくピアノ演奏、セリフの字幕もなく、衣装と舞台装置だけが作りこまれた状況でリハーサルが行われた。日本から数誌のスポーツ紙、女性誌の記者やカメラマンが見学取材に来た。それと関係者である私たちだけかと思ったら、大勢の女性ファンがいた。どうやら主演のチュンサン役を演ずるイム・テギョンお目当てらしい。彼は今韓国で絶大な人気を得ているミュージカルスターで、彼のファンサイトがこの情報を聞きつけて主催者に頼み込んで300人限定で入場を許可されたのだ。大半がソウルから離れた現地チョナンまで足を運んでくるのだ。
見終わった後の感想は迷う。舞台そのものは完成度が高いと一緒に行った日本のミュージカルの専門家は見ていた。楽曲もいいし俳優の歌も素晴らしいのだ。洒落た最新スタイルの舞台になっていた。それは分かるが、テレビドラマのイメージが強い私としては若者向けの舞台になっているようで、少し違和を感じた。むろん字幕がないからセリフが理解できていない。だから物語が正確に把握できていない憾みはあるのだが。
予めあらすじだけ聞いた。22時間におよぶ物語が2時間余りにまとめられているが単純に短縮しているわけではない。筋はある線を強調してファンタジ―の色合いを出しているのだ。チュンサンが事故にあって天国の門まで行ったところから舞台は始まる。
《夢多き女子高生ユジンのもとにポラリスのように輝く初恋のときが訪れた。同級生チュンサン。彼は白い雪のように純粋で絶対的な初恋をユジンに告白しようとする。しかし、
突然の交通事故によって告白よりも先にユジンの前から消えることになるチュンサンの運命。死の世界さえ嫉妬する二人の運命的な初恋の記憶。記憶の霊たちがチュンサンにささやく。「我々が望むのはおまえの記憶。記憶を選ぶならお前の心臓は苦しみ、この世から消え去るだろう。しかし、生命を選ぶならお前の記憶を置いていくがいい。」チュンサンは果たせなかった愛をユジンに告白するため記憶の断片を死の世界に残したまま悲しい命を抱いてこの世に戻る。…》
これ以上はネタバレになるので語れない。一つだけ、オーチェリンが重要な役になっていることをお知らせしておく。
主役の二人はダブルキャストだ。チュンサン役の一人イム・テギョンがいい。若者らしい精悍さと甘さがある。彼の挙動に詰め掛けたファンが大騒ぎするのがよく分かる。きっと日本に上陸すれば、日本のファンの心をつかむこと間違いなしだ。彼が学生服にダッフルコートを着ているのを見て、何か懐かしさを覚えた。
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