盛世華章

ロイヤルミュージアムで開かれた「盛世華章」は期待以上のイベントであった。これは北京の故宮博物館が所蔵する、清の時代の文物が展観されているのだ。
日清戦争やラストエンペラーの国として日本にはお馴染みの国でもある。展覧会はこの時代の特集だった。
中国の清は1644年に始まり1912年に滅んだのだが、康熙帝、雍正帝、乾隆帝の3代に清は最盛期をむかえる。
乾隆帝はジュンガル部族を滅ぼして東トルキスタンを支配下においた。これによってアムール川からチベットに及ぶ現代の中国の領土がほぼ確定させている。史上最大の国土である。漢族をはじめとする多民族と広大な領土を支配することとなった清は、中国王朝の中でも特有の制度を用いて巨大国家を築きあげていくのである。
満州族を出自とする清は征服王朝として、「蛮族」ぐらいにしか思っていなかった私にとって、会場に出品された長大な絵巻物、写実的な肖像画、絢爛たる皇帝服、細密な科学的技術のそれぞれに圧倒された。
中国絵画などはリアリズムとは遠いと思っていたら、三皇帝の写真のような肖像画があった。イタリア人宣教師カスティオーネの作品だ。それを皮切りに続続と宮廷の暮らしを描いた絵画が並んでいた。
今回同行した二人の中国学者たちは、声をそろえてその素晴らしさを語る。
この展覧会の英語名は「the three Emperoes」3人の皇帝である。清のまさに盛世をあらわす時代だ。このネーミングの巧みさに驚く。おそらく英国側のキュレーターに優秀な人物がいたのであろう。漢字のタイトルは三皇帝のうちの誰かが書いた字であろう、立派な字を書く。
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