「ナショナルトレジャー」を見て
ニコラス・ケイジ主演の「ナショナルトレジャー」をDVDで見た。『ダ・ヴィンチコード』の出来そこないのようなアドベンチャー映画だった。主人公の歴史学者ベン・ゲイツは祖先から言い伝えられているフリーメーソンの財宝を求めて北極からワシントン、ニューヨークまで駆け回る。
ストーリーの前半は厳重に保管された、独立宣言の「文書」を手に入れるまでの冒険を描く。それから、この文書を読み解く眼鏡を求めて、リンカーン記念館、独立記念館等アメリカ人にはよく知られた場所を舞台に悪漢たちとの闘いが始まる。
そしてたどり着いたのがNYウォール街に独立戦争以来建っている教会。その地下深くに財宝が眠っていると分り、仕掛けのある石壁を押すと深い地下の穴があった・・・。
まるでアメコミそのままを映像にしたような、ジャンキーなCG映像テンコ盛りの映画だ。「スネークアイ」のニコラス・ケイジやジョン・ボイド、ハーベイ・カイテルら、良い役者が出ているのでそこそこの映画かなと思ったら、とんだ期待外れ。
いかにもディズニーが配給しそうな映画だった。調べるとプロデューサーは「パイレーツ」や「キングアーサー」のブラッヤマイヤー。監督はタートルトーブ。特典映像で得々と語る二人を見ていたら「金の無駄遣い」「映画が分っていない」と罵倒したくなった。
地下の穴の格闘シーンで、人物の位置関係が分らないと思っていたら、未使用映像を見ると理解できた。監督はラフカット4時間を2時間にするのに苦労したと言っていたから、画の流れなど無視してばっさり切ったのだ。
ということは脚本の失敗ではないか。物語の要素が多すぎたのだ。あらかじめ脚本で整理しておけばラフカット段階でも3時間以内に出来たはず。とにかく、アニメーションとCGを多用した、費用のわりには安っぽいペラペラの映像のオンパレードだった。
だが待てよ。これは家庭用のテレビ画面で見たから安っぽさが目についたが、劇場用の大画面と大音響で見ると味わいが違うかもしれないな。映画全体がアミューズメントパークのような仕立てだから、この“担当者”は映画を作るというよりゲームを作っていたのかもしれない。
でも一言。同じ系列でもインディ・ジョーンズやダイハードなどはそれなりに見られたし面白かったけど。財宝を発見するシーンで、監督は息を飲むような場面にしたかったと語ったがまったく成功していない。「インディ・ジョーンズ」を少し勉強したら、タートルトーブ君。
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