グラスゴー
朝10時エジンバラ発の電車に乗る。乗車直前ホームが変更になり慌てた。親切なジェントルマンが教えてくれたからよかったものの、下手をしたら1時間待ちの破目におちいるところだった。
グラスゴーまで電車で1時間。時折白樺林があるくらいでどこまで行ってもなだらかな牧草地が続く。いつ見ても羊は草を食んでいる。何を考えて生きているのだろう。あの一生はいったい何なのだろうか。
11時グラスゴー到着。駅構内は雑然として人であふれている。工業都市グラスゴーはエジンバラの倍の人口78万人が住んでいる。大都会だ。
駅を出ると路面が濡れていた。霧だ。だだっ広い商店街を上がってゆくと、お目当てのティールームがあった。Willow Tearoom。高名なデザイナーマッキントッシュの設計した店で、全体がオリエンタル趣味だ。中へはいり2階のティールームで昼食をとる。世界一座りにくいといわれたマッキントッシュの椅子にこしかける。TO先生は研究テーマの店に来られたということでご機嫌だ。Tearoomとは19世紀に起きた節酒運動の一つで、お茶を飲むことが流行した。この店はその代表的な存在として知られている。マッキントッシュのデザインは白黒を基調とした縦横の単純な線が印象的な、ちょっとアールデコの匂いがする。これが東洋イメージかなあ。
本日のホテル、ホリディインに荷物だけ預けて郊外へ行くことにした。到着した駅とは違うセントラル駅から電車に乗りライド川を渡って2つ目の駅ポロックショーズウェストまで行く。ここでもブリットレールパスをフルに利用する。先生方の勤勉さに感動してしまう。

ポロックカントリーパークの中にあるバレル美術館。W・バレル卿が集めた8000点のコレクションがある。ここの中国趣味は充実していると聞き訪れることにしたのだ。美術館は深い林の中にあった。駅から歩くこと10分。スコットランドの美しい自然が広がる。大きな柏の木がすっかり葉を落とし裸木になっていた。枝越しにかささぎの美しい黒の尾羽がちらちら見えた。

バレルコレクションは思いがけず良いものだった。エジプト、中国、ギリシアの彫刻や工芸品、クラナッハらの名画が並んでいた。ここで私はドガの5つの作品に出会い衝撃をうけた。これまで知っていたドガのイメージを裏切るような立派な作品だった。その技術はフェルメールにも劣らない。作品にはあるエターナリィがある。帰国したら、再度ドガのことを調べてみようかなとしみじみ思った。

夜7時、町へ出ると花火が上がっておおぜいの家族連れがいた。何だろうと思って広場まで来ると、全域がライトアップされていた。11月25日から27日までグラスゴーは「光フェスティバル」で賑わうのだ。初日にあたり人々が大騒ぎしていた。スキップするこどもたちは可愛かった。
その賑わいを横目で見て、中国レストラン「MAO」に行く。そこでラーメンを食べて9時過ぎホテルに帰還した。
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