花房山たより4号
昨年、インバウンドで最高に伸張した航空産業。COVID-19のおかげで2月から運航が激減し、現在は国際便の8割ほどが周航を停止している。昨年並みに戻るのにあと4年かかると言われている。空港は人影は消え、こころなしか照明も薄暗い。落ち込んでいると思いきや、新しい業態を目指して航空各社がさまざまな試みを始めていた。座席の密度を減らす策として3席の真ん中のシートを反対向きにして密接の度合いを下げる。そして境界にはアクリルの透明パーティションが建てられる。東南アジアの航空会社は客室乗務員は医療従事者と同じような完全防護服で接客するという。これまでのキャビンアテンダントのイメージとおよそ遠いものだが、ニューノーマルはこんなふうにして新しいフェーズを準備していくのかもしれない。
今夜のNスペは「世界同時ドキュメント 私たちの闘い」は世界各地で起きたCOVID-19禍を現地の当事者たちが撮影したスマホ動画を使って構成されていた。海外取材どころか国内取材も県域に制限されているなかで、撮影ができないという苦難を乗り越える一つの試みとして興味深かった。むろん素人が撮影しているから、細切れの映像だがそれをオムニバス風にして、一つ一つのシークエンスを成り立たせていた。難しい編集だが、味のある作品に仕上がっていた。
実は、わがチームもそれと同じことを目論見て、イタリアのロックダウンの苦難を描くつもりでリサーチを開始していたし、企画を提案したのだが、どうもイタリアのみの主題が今夜のNスペよりスケールが小さく見えたのかもしれない。だが、物語性はむしろ当方の方が豊かだと自負する。もう少し積極的に売りこみを掛けるつもりだ。トスカーナがなぜ最小の被害で済んだか、その"奇跡の軌跡"をたどろうというものだ。
高輪ゲートウェイ新駅は、泉岳寺の真ん前にある。品川海岸の段丘が高輪台地で、尾根伝いに家々が並ぶ。おそらく新駅は今年のオリンピックに合わせて開発をしていたのだが、延期やコロナでややゆっくりと進められている。ここは交通が便利にも拘わらずそれほど大きな賑わいがなかったが、このあとブレイクしそうな地の利だなと愚考する。港区の高輪、三田、麻布、には大使館がたくさんあって、暮らしがハイソで垢抜けた店舗が多いのが特徴。成城や田園調布の匂いがする。JRを挟んで海側はまったくまだ開発されていない。目ざといAPAホテルが入り込んではいたが。
それにしても赤穂浪士の泉岳寺はなかなか趣がある。12月以外は混雑もなく江戸の御代を味わうには悪くない。今、紫陽花が薄紫の花額をつけていた。
武士(もののふ)のあはれや梅雨入り泉岳寺
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