あじさい忌
日曜日に若林暢の3回忌法要で小平の霊園に行った。若林暢、ヴァイオリニスト。2016年6月8日没す 享年58。早い死だ。私は生前の彼女を知らない。死後1年経ったとき、ひょんなことでその死を知ることになったのだが。
梅雨のさなかのお参りであったが、運良く最後まで一雨もなかった。参拝者全員が滞りなくご焼香してご冥福をを祈念することが出来た。祭壇には花束がいくつも並べられた中に、紫陽花が混じっていた。うす紫の紫陽花はどこか寂しげで、いかにも暢さんの孤独性を表しているような気がした。司式は長年の後援者でもあった戸部師。式の冒頭に叔父上のご挨拶があり、その後順に墓前に進み出て焼香する。最後に全員で般若心経を3度唱えて式を終えた。
時折墓地に車輌音が響く。姿は見えないが、お墓の裏に西武新宿線が走っているらしい。通る度に一陣の風が巻き起こり墓苑の木々の葉裏をそよがす。日曜の昼下がり。小平霊園は人影もまばらで静寂に満ちていた。
まだ墨の色も新しい暢さんの墓碑銘に寄ると、その両側に両親の名前があった。ちちは暢さんの死より2年前に逝去、母は暢さんお半年後に昇天された。暢さんをまるで抱くかのように、3つの名前が並んでいる。暢さんはけっしてひとりではない。ご両親の愛情に包まれて安らかに眠っているのだ。
あじさい忌 父母に抱かれ 安らけく
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