市川雷蔵の技
ここ数日、雷蔵のDVDを続けてみている。「ああ、海軍」「ある殺し屋」そして
今晩見たのが「中山七里」だ。
この俳優の魅力はどう言っていいか少し悩む。おそらく女性から見れば、男の色気とでもいうだろう。男の私から見ると、そういうのは少しおいて、演技に独特の味があるとでも言おうか、ひとくくりできないものを感じる。今の俳優にない何かがあるのだ。
伝統的な歌舞伎風のやや大げさな口調だったり、現代劇の普通のリアルであったり、とらえどころがない人だ。
「中山七里」はまったくの大衆娯楽作品だが、つい最後まで見てしまう。別に脚本がいいからではない。立ち居振る舞いがきれいであるし、格好をつけた二の線がそれはそれでいいのだ。この映画は白黒で、挿入歌で橋幸夫が歌っている。劇伴も電子オルガンを使っている。その辺がやや鼻じろんでしまうのだ。
もし、彼が今生きていて、今のセンスの時代劇だったら、どんな感じになるのかなあ。
蝉しぐれなんかはやらせたいし、ひょっとしたら、本当の「悪」を演じてくれるかもしれない。
蛇足だが、相手役に中村玉緒が出ている。本当に可憐だ。この娘があのガラガラ声のおばさんになっていくのかと、感に堪えなかった。
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