もっと愛想よくすればいいのに
負けるな一茶ここにあり、と言いたいビストロがオフィスのそばにある。
20年以上の老舗だが、近年めっきり客足が減っている。
今日も、1時過ぎに行ったら誰もおらず、私がいる間に客は一人も来なかった。
味が悪いわけではない。それどころか、そのかみ狐狸庵先生こと遠藤周作さんがここのたんシチューを御気に召して、散歩の途中によく寄ったという話が残るほどだ。
たしかにハンバーグしても、ソースは美味い。今日食べた若鶏のソテーも絶品だった。
夫婦二人でやっている。シェフの夫はたしかに腕には自信があるのだろう。什器はいつもきちんと磨いてあり、店の雰囲気もディーセントだ。
難点は時間がかかることだ。昔からオーダーしてから出てくるまでに15分以上はかかった。昼食時、客が多いと40分を越えることもあった。味はいいのだが、あれじゃ昼飯時間がつぶれちゃうよとみんな敬遠するようになった。一人減り、二人減り、今では殆ど来なくなったというわけだ。
でも、店を開けて、昼食時は11時半から13時半まで営業する。客が来なくても(来ないからかもしれないが)13時半になったら、すぐ店を閉める。そんなあ、もっと待ったらいいのにと思うが、どうやらシェフのプライドで、未練たらしくダラダラ開けておくのは嫌なのだろう。
今日のように雨が降って肌寒い日などは、まったく客足が途絶える。私一人がポツンと入っていっても、嬉しそうな掛け声を出すわけでなく、そそくさとコンロの前にスタンバイするといった塩梅だ。偶の客ぐらいにへこへこ出来るかといった苦虫をつぶした顔でいる。
ウエイトレスの妻はそれでも、「こんな雨の日に有難うございます」とあいさつはするが。
なんだか、自分を見ているみたいだ。
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