秋だ。枝に名も知らない実がたわわになっている
強がりばかり言って
戦争で日本がアメリカに負けて50年経った頃、バブルが弾けた。グリーンスパンを中心とするアメリカにやられたという気分が広がり、当時「第2の敗戦」という語が飛び交った。
2月1日から現在まで350本ほどのブログを書いてきた。最初からずっと読んでくれている友人が「このブログのタイトルは、定年なんかには負けないと勇んでいるが、ずっと読んでくると定年というものがどれほど男にダメージを与えるかが露になっている」と言った。
ドキリとした。たしかに私の実感は、定年で第二の敗戦をしたという思いがある。
10年前、47歳の時私は脳内出血をやった。意識が戻ったものの、口はもつれ左半身が不自由となった。私は負けたと思い、人生は終わったと絶望した。だが、そのときは肉体的苦痛があったので、そこから回復したいという思いが先にあって絶望は後回しになっていた。それで危機はなんとなく回避した。
10年経って、分ってはいたがとうとう定年を迎えた。ショックはあったが鋭いものでなく鈍くボディブローのように、時間がたつにつれて効いてきた。何を見ても何をしても何を作っても気分がはれない。無力感がともなうのだ。専門医にかかれば「仮面うつ病」と言われかねない。でも、私はそういう具合にくくられたくない思いもある。
定年というものが、日本人の(あえて書くが)男にどんな影響を与え、何を奪っていくのかを見つめたいと考えた。その観察記録をこのブログは兼ねている。
だから定年の日の翌日から始めた「定年再出発」は、ちょうど一年後の誕生日月の末つまり1月31日をもって区切りをつけるつもりだ。それまで、私の、私自身の、心の動きをストレートではないにしろ、書きつづっていく覚悟でいる。

大磯エリザベスサンダースホームの秋
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