集中講義を終えて
3日間の集中講義を終えて、今朝はふるさとの敦賀へ来ている。昨日までの3日間は
私にとってありがたい日々であった。
映像とは何か、映像は戦争をいかに表現してきたか、ということについて30人の学生に話をした。延べ20時間以上だ。中心においた作品は、今夏話題となった「沖縄・よみがえる戦場」と4年前私が制作した「アウシュビッツ証言者はなぜ自殺したか」である。一生懸命話をした。しわぶき一つなく学生はまっすぐ聴いてくれた。
20年前、私が企画した「シリーズ授業」のことを思い出した。現在、それは「課外授業・ようこそ先輩」というシリーズに進化している。
その年、夏に放送された「戦争を知っていますか」という番組に私は釘付けになった。大人が中学生に戦争体験を語る番組だ。徴用工、女子挺身隊、従軍看護婦、被爆者。大人たちが話す言葉に中学生らはまっすぐ耳を傾け見つめた。そのまっすぐな眼差しに促され励まされるようにして、体験者は熱く語っていた。感動的な光景だった。この「関係」をなんとかほかの番組に生かせないかと考えていたとき思いついたのが、ふるさとの母校で著名人が自分の専門知識を授業するということだった。
このエピソードを、集中講義3日間で思い起こした。第4講義室に座った30人あまりの学生――これから社会へ羽ばたこうとする若者が、社会人の専門的な話を一途に聴く。
その眼差しのつよさは、話し手である私を勇気付けてくれた。そればかりか、合間に質問を受け付けると、ぴりっとした疑問意見が出てくる。うれしかった。
私もずいぶん勉強になった。「沖縄・よみがえる戦場」のようないい番組があることをもっと広く知らせるべきだという学生らの意見に深く同意した。
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