台地地形の面白さ
明治学院大学(MG)は目黒からも五反田からもほぼ同じ距離、品川からもそんなに遠くない。大学の地番は白金台1丁目にあり。庭園美術館が5丁目。庭園美術館あたりが白金台地の上にあって、MGは谷底つまり坂下にある。我が家のある目黒駅前からMGに向かうと、ドンキホーテ白金店の先を右に折れると長い下り坂になっている。もうひとつのルートは上大崎の交差点から五反田に向かい坂を下ってすぐ左に曲がる。そこから坂道をうねうねと下って路地を通りぬけ、池田山公園を右に見ながら坂下に至るとをMGにたどりつく寸法。つまりMGは白金台と高輪台のすり鉢の底にあるのだ。この底の地形がまるで迷路になっており、夕方に歩くとまったく土地勘を失って、文字通り迷子になってしまう。家並みは御殿やお屋敷だけでなく、木造アパートや仕舞た家など変化に富んでいて、まるで江戸川乱歩の世界のようで飽きることがない。
1週間ほど前にこの迷路地形を発見した。迷子になってぐるぐる回りながら、何かわくわくするものを感じた。
私の育った敦賀は平坦な扇状地の上にあって、坂らしい坂というものはほとんどない。フラットな風景で、明智小五郎シリーズなどを読むと、「この街はつまらん」と不平をこぼしたものだ。話は飛ぶが、あのタモリも故郷がフラットな地形でいつも坂の町に憧れていたとか。博学の丸谷才一が書いていた。
私はいつか、坂の町の迷路に迷い込みたいと願っていたーー。
坂の町、長崎に赴任したときはおおいに期待したが、坂はともかくすり鉢の底は意外にフラットで物足りなかった。
目黒に住んで5、6年になるが、まさかすぐ傍にこんな地形があるとは思ってもみなかった。たしかに白金台の至る所に名前の付いた坂道は多いことは気づいていたのだが。この谷底の窪地を江戸川乱歩風にS窪とでも呼んでみようかな。大磯のツヴァイクの道に匹敵するぞ。
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