黄金週間のはざまで
世間は長い休日で賑わっているようだが、こちとら毎日が休日。たいして嬉しくもない。むしろキョウヨウのほうがいい。
今日用事がある、という略語だが、リタイア後の大事な生活信条にしている。
さて、5月2日は朝10時から東京駅で待ち合わせをして辻堂まで行った。慶応大学SFC湘南キャンパスでの出前講義で、学部2コマ、院が1コマの合計3コマを連続で話し続けることになった。呼んでくださったのは友人のFUKUDA教授。かつて私の制作した「闘う三味線」で総務大臣賞を受賞したときの審査員で、作品に高い評価を与えてくれた人物だ。そういうこともあって、学部生には「映像表現と文章表現」の御題で、院生には「映像の中の物語」というテーマで話すようにと予め指示があった。ここ2週間は、その原稿作りとサンプル映像の選出に注力していた。
湘南キャンパスというイメージからかなり隔たった内陸部にあって、いささか遠いが広大な敷地に斬新な校舎が整然と並らび、なんとなく日本離れしたキャンパス風景が広がっていた。校舎の中に入ると教室の番号の上にラムダとかアルファといったギリシャ文字が付いている。ふーん、これがケイオースタイルかと妙なことで感心する。中庭には、お札で有名な福沢諭吉の胸像が春の日差しを浴びて鎮座している。と、そこへ異様な臭いが押し寄せてきた。聞くと、キャンパスの周りには養豚農家がいくつかあって、そこから風に乗ってやんごとなき臭いが飛んで来るのだ。
驚いたのは過密な時間割とそれを励行する学生たちだ。講義は12時30分で昼休みとなるが12時45分で昼からの授業が開始される。わずか15分の昼休み。授業の終了は午後7時を回るという。勤勉というか過密な時間割だが、学生たちはせっせと移動してきちんと講義を受けている。連休の中日だというのに、キャンパスにはおおぜいの学生の姿が見られた。
私の出前講義はおおむねうまくいった。学部生はやや消極的だったが、院生からは次々に質問が飛び、面白かった。そのなかに芸人をやっているというたかまつななさんがいた。いただいた名刺には、政策メディア研究科と並んでお笑いジャーナリストの肩書きがある。経歴は、フェリス女学院出身のお嬢様芸人として、「エンタの神様」や「アメトーク」にも出演、とある。ふーん、ケイオーの懐は深いなあ。
往きは湘南電車と路線バスを使用したが、帰りはさすがに疲れてタクシーとグリーン車を利用。景色はいいが、遠いところが高齢者には向いていない。と書いて、大学は若者の本場だったことを思い出した(迂闊というかとろいというか)。
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