それに触ってくれることを望みつつ
なぜ、ブログを書き込むことにこれほど一生懸命になるのかと、自問することがある。
心に吐き出したいことがあって、パソコン画面に文字を注入するのだろうか。
そうではない。インターネットの広大な海に向かってただ発信すること、まるで虚空に向かって手を差し出すように、キイボードをたたくだけ。
大江さんから教えられた詩がある。ウェールズの詩人R・Sトーマスの「敷居」。
《ミケランジェロのアダムのように未知の空間へ、何も知らない空間に向かって腕を伸ばして、返礼の接触を望むよりほかに》
「敷居」とは、今この世界から違う世界との境界を意味し、そこを超えることを説いている。違う世界に向かって恐る恐る手を差し伸べると、その手に向こうから応じてくれる手が触ってくれる、ちょうどミケランジェロが描いた「天地創造」のアダムように。
美しいイメージだ。この名も知られていない詩人を発見した大江さんの眼力に敬服する。同時に、日本のわたしたちに紹介してくれたことに感謝もする。
このアダムを例えにするのは気がひけるが、私もブログの虚空に向かって手を差し伸べ、指を突き出すと、それにそっと答えてくれる何かがあると予感もし感じるから。せっせと打つ。
来られた記念にランキングをクリックして行ってくれませんか
人気blogランキング