広島カープと断捨離
カープが優勝した。
前回の優勝は1991年のことであるから25年経っていたことになる。
前回の優勝時の監督は山本浩二。チームは若い監督を中心にまとまって奮闘した。
その年、1991年のペナントレース中盤では首位巨人にかなり水を空けられていた。奇跡に近い挽回優勝を遂げることになる。その原動力は、病と闘う津田投手への激励だったと、当時の選手たちは口々に語る。
そのシーズンの初めに突然病に倒れ、戦線から離脱することになった津田を優勝の旅に連れていこうという機運がチームを一つにしたと言うのだ。
記録に残る選手とは手放しで言えないかもしれないが記憶に残る選手となった津田恒美。このレゲンデ(伝説)を今から22年前広島局で仕事をしていた私らはふとしたことから知り、それを不屈の人生を生きた男の物語として世に送り出した。その番組は思いがけない反響を呼び、22年経った今も広島の人々の胸に残っていることが少し嬉しい。そのタイトルは、「もう一度、投げたかった~炎のストッパー津田恒美の直球人生」。
難病と闘っていたとき、津田が妻にもらしたという言葉が今も耳朶に張り付いて離れない。
「どんなに野次られても、もう一度あのマウンドに立ちたいよ…」。どんなにカンバックしたかったことか、彼の気持ちを忖度すると心がいささか痛い。
この野球への思いを津田は愛用したボールにしっかり“刻んで”いた。そのボールには津田の投手としての決意が記されていた。マジックインキの字で「弱気は最大の敵」と書かれていた。このボールを初めて見たときの感動は今もしっかりある。まるで津田がいるかのような生生しさがあった。そのボールはまるで彼の分身のごとく不思議なオーラを発していた。
この番組が、カープ優勝にちなんで、来る9月25日(日)に再放送されることになるという。これまでに幾度も再放送されてきたが、まさか22年経てもあるとは予想しなかった。津田さんを知らない若い世代には是非その英姿を見て、さらに大きな野球愛を育んで欲しい。
一方、先週末から昨日にかけて、私にとって大きな人生の儀式を行っていた。大磯の私の部屋に納めていた書籍を、ふるさとの図書館に送ったのだ。ダンボール箱にして80ほどになったか。40年にわたって蒐集してきた単行本から、資料として買い求めたものまで。サブカルチャー、「冬のソナタ」関連書、文学、原爆、キリシタン、詩集、歌集、美術書、写真集、映像関係書など多様な書籍群を一まとめにして送った。正直に言えば大型荷物車が我が家を離れて行ったとき、すこし虚ろな思いが残った。部屋はガラーンとして白々とした光景、つまり殺風景になった。
古希を目前にして、人生に区切りをつけるつもりで断捨離を断行。
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