薄氷
今朝は4度まで気温が下がった。昨日に比べて10度以上の寒の戻りである。春は来そうでなかなかやって来ない。
悲報、哀報が続くなかで、すこし嬉しいことがあった。
わが俳句倶楽部の2月21日の句会の結果が、会報となって届いた。開くと兼題の「薄氷・雪祭」の部で、“地”の位をいただいていたのだ。
薄氷の小窓を透きて茶のボタン
宗匠が、「詩的興趣にあふれている素晴らしい作品だ」と高い評価をしていただいたのは嬉しい。先日、弟を失ったこともあって、南小学校へ通学していた幼い日々が、心のなかに居座っていた。弟を連れて歩いた通学路。
――冷え込んだ朝、通学路で見かけた光景。舗装されていない赤土の道に薄氷が張っていた。覗き込むと氷の奥に茶色のボタンが閉じ込められていた。誰かのオーバーのボタンだろうか。やや大きめの形だった。氷を割って取り出すのは惜しい気がして、そのままにした。氷の窓の向こう側の世界はしんと静まりかえっていた。指先から湯気が立っていた。
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