
時にはアート
朝一番で大橋の東邦大病院へ行き、前立腺の予後調べを行った帰り道、東急ブンカムラの「ラファエル前派展」を見てきた。
英国の19世紀、ビクトリア朝の後期あたりに起こった美術運動、ラファエル前派。自然主義だらけの表現に飽きた若手の画家たちが、ルネサンスのラファエル以前の自然観に戻ろうという意識で、象徴主義的な絵画を打ち立てた運動。なんとなく、日本の琳派と対で味わってみたい気がする。
2年前、ジョン・エヴァレット・ミレイの「オフィーリア」の鑑賞番組を作ったこともあってラファエル前派には若干の知識や親しみがあって、久しぶりにギャラリーに脚を向けた。
画の題材が、ギリシア神話や聖書にとっていて、かつて習った西欧の教養のオサライのような気分でおよそ100点の作品を巡って堪能した。気になったのが、ジョージ・フレデリック・ワッツの「マグダラのマリア」。あのふしだらな娘でイエスと会って改心したマリアの肖像。それは大地に座り込んで、十字架を見上げて、悲しみのあまり呆けているマリアの姿。恨めしそうな、悲しみに満ちた眼差しはとてつもなく深い表現だった。
もうひとつは象徴的歴史画という本題とは離れるが、流れ星という風景画が心に残る。夜空にきらっと閃いて消えていく流れ星、原題は「falling star」。なるほど、堕ちていく星か。
久しぶりに美術展に触れて気分が高揚した。この流れで、明日からの週末には「ポッティチェルリ展」を見に上野へ出かけようかな。
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