後日譚
昨夜のことだ。玉久で酒を飲んだ。8階から澁谷の巷を見下ろして飲む酒はうまい。
2(ふた)月に一度だけすこし贅沢をしたいと思って来る。昨夜は広報のデスクkさんに、年来のお世話になっているお礼も兼ねて1席設けた。普段なら入荷予定のきんきがないのが淋しい。煮付けを食べたかった。鯒(こち)のポン酢とめじまぐろを肴にして日本酒をぐびぐびといった。
kさんとの出会いは30年前のけんか腰のやりとりから始まっている。
当時私が心酔していた巨匠のギャラをいかに設定するかをめぐって、Kさんと電話でやりあったのだ。淡々と額を算定するkさんの口ぶりに私が切れたのだ。額設定で、私とkさんの間で見解が相違し、じれた私が大声をあげたことから始まった。
kさんから私は暑苦しくてやかましい男と写り、私からはkさんは生意気な小娘と写った。互いに振り上げた拳は下ろさないまま口をきかなくなっていた。長い年月のなかで、すこしずつ和解して、昨夜の飲み会になった。
店を出たのは11時過ぎ。 思わぬ長っちりになったのは、互いに俳句に興味があるということを知ったからだ。酔余にまかせて、二人だけの連句でもやろうということで、575、77をやったのだ。あっというまに小一時間が経っていた。
この席で、前日の1月19日が誕生日だったと漏らすと、すかさずkさん、「119番じゃない。くれぐれも救急の御出動がありませんように」。
思わぬ言葉に呆気にとられた。いままで、マイバースディと119の救急を連想したこともなかっただけに、救急ご用命のくだりには思わず吹いた。
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