6年前の冬至の日に、母は死んだ
明日は天皇誕生日、休日の前とあって、新宿も渋谷もおおぜいの若者たちが街にでている。
6年前の2009年の今日、母は死んだ。八十二歳だった。天寿と言いたい年齢だが、私にはまだ早いという不満が残った。短歌を得意とする母からもっと聞き出しておきたい事柄がたくさんあったはずだが、その千分の一も叶わぬまま母は逝った。
亡くなってまだ3年ほどと思っていたら、6年も経っていた。人はだんだんじかんと場所と時代を忘れていく。自分の年齢さえ正確に割り出せないときも少なからずある。
母が死んだ朝は寒さが一際厳しい日だった。死に顔を見ながら若かった母が手の水虫で泣いて苦しんでいることを思い出した。30になるかならない頃の母は両手に出来た水虫で毎夜苦しんでいた。次弟となんとかははの苦しみを取り除いて上げたいと必死で祈っていた。そのことを、今夜不意に思い出した。なぜだろう。
6年の月日が流れても、あの死の生々しさは少しも減じない。八木重吉の詩のごとく、かあちゃんでも母さんでもない、ああちゃんと呼んでみたい存在となってしまった母。
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