病院にて
4年ぶりの入院だ。4年前もこの病院だったから、ある意味で慣れていて楽だ。
昼食から病院食となる。冷めたカツときゅうりの酢のもの、まずい。この後夕食を限りに絶食となる。贅沢を言わず食べておかないと夜中には飢餓の状態になるかもしれない。
担当の看護師から、病院施設の説明と治療計画の説明を受けた。
手術は明日の午後1時半から始まり4時半で終了を予定されていると聞いて、そんなに時間のかかる手術かと怖じ気づいた。術後も3日ほど管がとれないとのこと。なんだ、大層な手術じゃないか。だが、ここで止めるわけにもいかず、全身麻酔手術への道を歩いていくのみと自分に言いきかせる。
手術前に沐浴しなさいと看護師から指示が出た。本日は風呂場の利用時間は混み合っていて、明日の朝しか空いておらず、10時に確定。
病室は2階のもっとも南端21✖︎号。4人の相部屋だ。外科病棟の患者が多いらしく、年も私より10歳ほど若い。交通事故とか、職場での労災事故などで骨折や肉ばなれなどで入院しているせいか、みな元気でこえが大きく病人らしくない。本日行われた競馬の戦果やパチンコ、ゴルフの話でもりあがっている。が、当方は関心がなくお声もかからない。することもないので、iPadでネットサーフィンする。それにも飽きて、前に広島の古書店で買っておいた「ロラン・バルトと記号の帝国」というしちめんど臭い本を読む。こんなことでもなければ、ページを繰ることもないような難しいゴタクを並べた書物。
1時間ほどでその読書にも飽きて、地下の売店へ行って週刊誌を立ち読みする。最近元気のいい週刊現代やポストの荒くて元気のいい文章に少し癒された。
話はガラッと変わるが、昨日、脚本家のH氏のことに詳しい映画関係者と会って、氏と一緒に映画作りが出来ないかと相談した。氏は今年97歳だが、あの安保法案ゴリ押しのできごとに深い憂慮と怒りを覚えておられるという「噂」をある筋から聞かされた。けっして老けこんでいない。そのことが、私のプロデューサーとしての好奇心をつよく刺戟したのだ。私自身、氏
とは6年ほど前に挨拶だけ交わしたことがある。90を越えていたが、眼光鋭く、「表現」に人一倍の情熱を傾ける人物だと、1時間たらずの会見で感じいった。
氏の最初の師こそ、あの伊丹万作だ。氏の代表作と言われる「羅生門」よりも、私は「私は貝になりたい」「砂の器」の脚本のほうが好きだ。(この項 未完)
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