国会のぎんなん
雨は午前11時をまわって一段と激しくなった。がいっこうに人の群れは絶えない。むしろ増えているような気がする。ウィークデイの午前中とあって若い人の姿が少ない。私と同世代か少し年長のシルバー世代が目につく。銀髪の小柄な女性は会場の隅で戦争反対のゼッケンを広げていた。ひっそりと。
70代と思われる男性は交通規制をかける警察官に堂々と抗議していた。誰も、自分のためより「孫」のためにという犠牲的精神がみなぎっているように感じたのは、私の感傷だと言い切れないはず。けっして思い過ごしではないだろう。
昨夜から今朝にかけて、国会は極度に緊迫した。与野党の議員がみなまなじりを決している。おそらく向こう10年の日本の針路を左右する大きな法案が通るか通らないかの剣が峰が、今まさにここにある。
国会の周りに銀杏の並木がある。ちょうど今ギンナン落下の時期をむかえていた。路上におびただしい黄色の実が散乱。雨風に蹂躙されても鮮やかに輝くギンナンに、さきほど見たシルバーたちの一途な思いを重ねた。
4時40分過ぎ、安保法案が参議院を通過した。ちょうど決定したとき私はオフィスへ戻ってきた。
「法案が通りましたよ」と若い同僚が憮然と告げる。・・・やはり、という予想とこれでいいのかという苛立ちが入り混じる複雑な思い。
だがこのまま安穏と事態が推移するとは思えないが。ブログの写真がアイパッドから送信したものだが、なぜか逆さになる。この日を忘れないためにも逆さのままにしておこう。
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