メディア、空騒ぎ
近年、セレブという言葉がよく出てくる。セレブレティ、有名人という語の略か。
10年前、ニューヨークでテレビの受賞式に参加したとき、タキシードの正装を求められた。
なぜと通訳に尋ねると、セレブレティの集まりだからだと答えた。
アメリカには、ヨーロッパや日本のように貴族の歴史がないから、選ばれた特別の人種という意味を含む
この語にとても惹かれるし、自分はほかとは違うということを誇りたがるものなのよ、とゲイの通訳はシニカルに言った。
高田某という、東大卒を売り物したタレントの出演する沖縄リゾートのCMで、「セレブのリゾート」と
いう表現があった。どうやら、日本ではセレブは金持ち、有名人、勝ち組、上流階級というイメージらしい。
詐欺に引っかかった渡辺裕之という俳優が、記者会見で語ったことが面白かった。金持ちを相手に
200億の資金を集めた詐欺師についてのことだ。その詐欺男は六本木ヒルズで豪勢に暮らしていた。
渡辺はそこで開かれたパーティに行って、その豪華さ、高いワインなどに、芝居の中でしかみたことがない
セレブな振る舞い(と言ったかどうかは、ちょっと失念したが、こんなニュアンスだったと、私は記憶する)に
少しあこがれた、と正直に告白していたのだ。
そのあこがれたと言う渡辺が投資して騙しとられた金額が1億以上、かつ彼の住む家は一戸建てで地下にスポーツジムを
備えるほどの立派なものを所有している。--彼こそ、セレブではないかと思うが、その彼もセレブに憧れ、なりたいと思っているのだ。
勝ち組とか金持ちとか言ってもてはやされている、IT関係、外資系金融機関で働くものたちの噂を、最近ちょくちょく耳にする。
毎晩、六本木あたりの深夜のクラブで、高いワインと高級料理に大枚をはたくというのだ。そいつらだって、内心セレブって
言われるほどになったか自信がないけど、とりあえずセレブ的振る舞いをしてみせる、という程度ではないかなあ。
結婚相談所のキャッチコピーを以下に記す、まあ参考までに読んでください。この鼻持ちならない選良意識。
「貴女もセレブの仲間入り・・・
エグゼクティブとの結婚で恵まれた生活を実現できる「セレブ」という生き方が注目されています。
ここには企業経営者はもちろん、医者、弁護士など、エグゼクティブな会員がいらっしゃいます。
“ここ”では、そんな方たちとの出会いからご成婚まで、“セレブ”な生き方の実現のためにお手伝い致します。」
しおどめ、ろくひる、まるびる、などに勤めるのもセレブの条件の一つだって。
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