目から水があふれてならぬ
編集作業たけなわの作品「伝える力は大切」(仮)の第1回めの試写を見た。
主人公は、あの通信販売でおなじみの高田明社長。独特の調子で、一瞬で人々の心を鷲づかみする当代を代表するプレゼンターだ。母校のある平戸を舞台に課外授業物語が進行した。
高田さんは、6年生を相手に伝えることの大事さを親しく教える。若い頃カメラ屋業を営んでいたときの自分の体験を交えながら、やさしい言葉で授業を組み立てていく。その後、子どもたちにも実践してもらうために、全員でビデオレター作りに取り組むことになった。普段、なかなか本音をいえない人たちに向かって、子どもたちがビデオレターで呼びかけるという趣向だ。そのスピーチの原案を子どもがまず作文することから始まる。
さあ書けといわれても、簡単には文章を書けず、困って高田先生に個別に相談に来る子もいる。高田さんは優しく応じる。そのマンツーマンの指導に、カメラが入った。
あのテレビで大きな声をあげる高田さんと、子どもを前にした高田先生はまったく違う。もの静かでやさしいまなざし。6年生の子どもたちをまるで孫を見るようなといっても過言でない、慈愛に満ちた眼差しがあった。
この面談で、子どもたちが自分の親しい肉親(おじいちゃん、おばあちゃん、妹、お父さんなど)に向かって何を語るか、どうやって語るかを高田先生と相談する。話を聞いた先生は一人ひとりの子どもに、懇切なアドバイス与えて行く。
登場する平戸の子どもたちは、信じられないぐらいピュアだ。いまどき、こんな子どもたちがいるのかと驚いた。番組で、きちんと紹介するから、ここではこれ以上詳しく言わない。1月23日の「課外授業・ようこそ先輩」をご覧いただきたい。
が、ひとつだけ、どうしても紹介をしておきたい場面がある。
昨年、母を病気で亡くした女の子と高田先生のやりとりだ。その場面は胸をうつ。ワタシもこらえていたが、この場面のもつ情感が胸に響いて、目から熱い水が次々に溢れてくる。他のスタッフの手前、「醜態」をさらせないと堪えるのだが、熱い水はいっこうに止まない。まるで、木下恵介の「二十四の瞳」を見ているかのような感動を覚えた。
平戸の純真な子どもたちがいいのはもちろんだが、このような真実の声を引き出した高田先生の人柄に感心した。すっかり、高田社長のファンになってしまった。
でも、高田先生が人情家だということを言いたいわけではない。先生は授業をすすめるにあたって、子どもたちに平戸弁で語りかけ、子どもたちにも平戸弁で答えるよう要請するのだ。本当の声を引き出すためと先生は考えていた。やはり、高田さんはタダモノじゃないぞ。
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