父母のしきりに恋し
今朝一番の便で小松空港に降り立った。山中温泉の医王寺にある先祖の墓に眠る父母の霊にある報告を線画為、冬支度に入った北陸の地に飛んだのだ。雨上りの白山山麓の町や村2は濃い朝霧が立ち込めていた。
加賀温泉駅から知人の車で山中をめざした。塩梅のいいことに、昼に近づくにつれ雨がやみ陽がさしてきた。途中、花屋に寄って供花を買う。季節的にも菊の花がいいだろう。
私の家の墓は山中温泉医王寺の墓地にあって、3年前、遠縁の人に導かれて母の埋骨で訪れたことがある。そのときの記憶を手がかりに墓を探したが容易に見つからない。当時のしゃしんと現地を
見比べても今ひとつ土地勘がしっくりとこない。時間はどんどん経つが、いっこうにはかの手がかりが掴めず諦めかけてたときのことだ。山道をいったん離れて車道から墓地を眺めると、我が一族の名前を刻んだ墓石が浮かび上がった。あ、あんなところに父と母が眠っていて、私が来たと手を振ってくれているように、墓石は輝いていた。嬉しかった。もし出会えなかったら何のために東京から来たのか分からない。
何かかたじけない大いなる御心が作用してくれたのではないだろうか。出会えることが出来、私は安堵した。
持ってきた2つの花束をさっそく花活けに差し込み、私は墓に向かって手を合わせた。
こ半刻して辞去した。墓地の麓から父母の墓を見上げると、さきほど差した花束に、黄色い蝶がまとわり遊んでいた。あ、二人が私の来訪を喜んでいるとちょっかんした。
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